タレントのデヴィ夫人(85)が、7月の参院選向けに向け新党「12(ワンニャン)平和党」を設立し、代表に就任。「人生の集大成として、政界に一石を投じようと立ち上がりました。私は動物愛護を第一の使命として、ワンニャン平和党の設立を宣言いたします」として、参院選の全国比例で立候補することを表明した。
デヴィ夫人は日本生まれだが、インドネシアのスカルノ大統領と結婚。現在はインドネシア国籍のため、出馬要件を得るために2024年10月、日本国籍の取得を申請したことを明らかにした。
12の犬猫政策を発表。デヴィ夫人は「一丁目一番地の政策は、犬猫食の禁止法成立です。日本は先進国であるにもかかわらず、犬食禁止が法令化されていない。私自らが、立ち上がればと決意を固めた次第です」として、犬猫の食用禁止の明確な法制化を目指すとした。
犬猫保護に特化した〝ワン〟イシュー政党。共同代表で、世界愛犬連盟会長の実業家・堀池宏氏(65)は、犬猫食用禁止の法制化を目指し、2018年から国会でロビー活動を行ってきた。
「7年間の活動にも関わらず、これまで一本の法案すら出されていません。ゆえに、ワンニャン平和党を結成したのです。犬を食べているという現実は、日本人はまだまだ知らない。世界では、この問題をしっかりと国会で取り上げ、禁止していく国が増えてまいりました。家族ともいえる犬を食べるという習慣をなくしていきたい。法律で禁止していきたい」と、結党の動機を明かした。
堀池氏は1月、デヴィ夫人とともに、ある大物政治家夫妻と会談をした時のエピソードを明かした。「犬猫食禁止の話をしますと、彼の顔色が変わった。『他国の食文化を禁止することは、人々の食う権利を奪うことですよ。他国の食文化を禁止することによって、日本の鯨(食)も禁止されることになります。立法はできません』とはっきりおっしゃられました」と振り返った。
さらに、大物政治家の妻は大変な動物愛護家だとして「私は、犬猫と鯨は全然違う次元の話ではないかと思いました。欧米諸国では、犬猫は家族の一員ですよ。彼らを食べることは考えられないことですよ。その説明をしようと思っても、彼は全く聞く耳を持たず、その場で去ってしまった。信じられない。過去7年間、日本でロビー活動をしても、何の成果もなくて、法案ひとつも提出されていない理由がその時、よく分かりました。犬猫と、鯨を一緒にするのはナンセンスな話」と憤った。
会見でも、日本の捕鯨、鯨食文化への影響について問う質問が記者団から出た。デヴィ夫人は「犬猫は、私たちの伴侶。鯨とは違う。鯨は、私たちの伴侶ではない。地球に人類が存在した時から、犬と猫は私たちの伴侶です。鯨は違います。鯨は、海洋における食物連鎖の頂点にいます。鯨が保護され、多数生息することは、海洋資源のバランスにも大きな影響をもたらす」と強調した。