「ペヤング研究会」で活動する高校生たち 60案を売り込んだ”ペヤング愛”が本社に届き共同開発

松田 和城 松田 和城

 まるか食品はカップやきそば「ペヤング」の新商品「ペヤング わさび醬油味やきそば」を21日に発売した。同商品は宮城県志津川高等学校に通う高校生の案をきっかけに共同開発された。商品案を送った生徒たちは、同校の「商業部」の部員12人が集まった「ペヤング研究会」で活動をしている。

 顧問の根元博教諭によると活動が始まったのは約1年前。地元・南三陸町の商業イベントに特産品のたこを調理、出店する物産販売活動などを行う部活「商業部」の部員が、ペヤングの新商品が出る度にそれぞれの味やパッケージに関して、遊び半分で議論を交わす場だったという。

 ペヤングは「ソースやきそば超超超大盛GIGAMAX」「獄激辛やきそば」など話題性のある商品が印象的で、ユーチューバーが果敢に挑戦する姿がよく見受けられる。「ペヤング研究会」の活動期間が長くなるにつれ、徐々に部員たちの間でも”ペヤング愛”が沸いてきたという。「パッケージのインパクトがあった商品ベスト5」などのランキングをポイント制で作成することもあった。

 生徒たちは昨年夏ごろ、まるか食品へ部員1人が5案ずつ出し合った60種類もの商品案を売り込み。製品開発課グループ広報担当・小島裕太氏は、「ペヤングに対する愛情を感じた」と熱意に押され、共同開発に踏み切った。商品化にはコンセプトを明確にする必要があったため、再考してもらい生徒側は新たに6つの案を用意。リモートで議論を重ね、最終的に2年の渡辺晴南さん考案の「たこ飯風味」、1年の小野寺樹莉さんの「わさび醬油味」の2つが商品化された。

 南三陸町の海・志津川湾では漁業が盛ん。特産品のタコ、漁師になじみ深いわさび醬油からアイデアが生まれた。パッケージのデザインは「たこ飯風」では海を、「わさび醬油味」では日本の和柄をそれぞれモチーフとして描かれた。7日に販売されたコラボ商品第1弾の「ペヤング たこ飯風やきそば」はすでに地元で大反響。一部のスーパーでは入荷が追いつかず購入制限を設け、同研究会の高校生は街の人から「食べたよ」とまるであいさつのように声をかけられるという。

 商品が話題になることで、同校の生徒数減少に歯止めをかけたいという願いも込められた。根本さんは「生徒たちも『中学生とかに少しでも関心を持っていただいたらうれしい。学校、地元の役にたてればいいな』と言っていました」と明かした。

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