そして、三上氏は「陰謀史観には、歴史および宗教的な背景がある。キリスト教では終末論があり、やがて世界を支配する独裁者が現れ、人類を滅亡の淵に追いやると預言されている。西洋史のベースには、これがある。よって、こうした視点から陰謀論も議論されるべき」と解説する。
とはいえ、侮れない部分もある。同氏は「ネットとSNSの台頭によって個人が情報の発信をしやすくなった半面、情報に対する十分な分析がなされていない」と懸念。「陰謀論においては、全てが嘘ではない。必ず、そこにケシ粒のような事実が含まれている。これが拡大解釈されて広まる。大衆心理を知っている者からすれば、情報操作に使える。わざとフェイクニュースを流し、それに飛び付いた敵対勢力にダメージを与えることもできる」と指摘した。
また、三上氏は「今回の米大統領選では、実際にこうしたことが行われ、カオス状態になった可能性もある。単純に洗脳という言葉で片付けられない。そうした意味で、陰謀論を甘く見てはいけない」とも強調する。
では、Qアノンとは何か?その狙いは?
三上氏は「ムーではUFOを扱います。UFOは軍事問題です。得体の知れない飛行物体の出現とは、同時に領空侵犯の可能性がある。安全保障上の大問題であるがゆえ、取り扱いは慎重になされ、かつ情報操作される。特に当局がリークした情報には、まず偽情報が含まれる。後に、最初の情報全てが虚構との評価になり、世間の良識ある人たちは何も信用しなくなる。これが当局の狙いだとすれば、今回のQアノンも、構図は全く同じである」と分析した。
今後、「ムー」で取り上げる機会は?
三上氏は「ムー読者は陰謀論には冷静な目を持っているといっていい。近いうちに、そうした読者に提供できるQアノンやディープ・ステートの総力特集を組む予定です。乞うご期待」と予告した。(デイリースポーツ・北村泰介)