コスプレイヤーに高まる先行きの不安…コスプレの著作権ルール化問題はどうなるのか

野中 比喩 野中 比喩
インタビューに協力してくれたSさん(左)と野中比喩(右)
インタビューに協力してくれたSさん(左)と野中比喩(右)

 日本文化を海外に売り込む「クールジャパン戦略」の一環としてコスプレの著作権の問題を整理し、ルールを設けるという、井上万博担当大臣の発言が波紋を広げている。

 今や日本のみならず世界中で、趣味としても商業としても大きな地位を確立しているコスプレだが、その発展の背景には厳しいルールが存在しないがゆえの自由さがあったと思う。最初の発言があった昨年11月以降、特にルールについての具体的な説明や発表はなく、コスプレファンの間では「これまでのような自由なコスプレ活動ができなくなるのではないか?」「“海外展開を後押し”とされていたが、日本国内でルール化しても海外での意味はあるのか?」などの不安、不満の声も上がっているようだ。

 今回、趣味でコスプレイヤーとして活動するSさん(仮名)に意見を伺った。SさんはTwitterやコスプレイヤーズアーカイブ等に画像を投稿したり、イベントのボランティアスタッフとしてコスプレを楽しんでいる。

 野中:Sさんはコスプレをどのような場所でされることが多いですか?

 Sさん:活動場所は、今は主にTwitterが多くなりましたね。それまではイベント関係が主でした。コスプレ専用のアプリとかも登録はしているんですが、このコロナ禍で衣装を着る機会も減り、登録後あまり更新はできていません。今年こそは更新したいのですが。

 野中:非営利目的ならかまわないが、画像をSNSに投稿したりイベント出演で報酬を得ると著作権侵害にあたるという報道がありました。Sさんは今回の政府の発表やメディアの報道についてどう感じておられるでしょうか?

 Sさん:イベント出演や写真集などで収益が発生している方は、なにかルールを課せられても仕方がないとは思いますが…私を含め多くのコスプレイヤーは好きなキャラクターの格好をしたいという思いで、趣味としてコスプレをしているだけです。仕事でやっている方とは全然発想が違うのに、一概にコスプレイヤーというくくりでSNSにアップロードしただけで営利目的ととらえられてしまうのなら問題があると思います。

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