地球衝突が1.2%→2.2%となった小惑星「2024 YR4」 JW宇宙望遠鏡で今春観測へ 潜在的な危険性探る

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 2032年冬に地球に衝突する可能性がわずかにある小惑星「2024 YR4」について、ジェームズ・ウェッブ(JW)宇宙望遠鏡を使って詳細な観測を行うことになった。この小惑星を巡っては、1月まで1.2%とされていた地球との衝突確率が、このほど欧州宇宙機関(ESA)の最新分析により、2.2%になったとの発表があった。

 初期の銀河の形成を研究する目的で打ち上げられたJW宇宙望遠鏡は、「2024 YR4」の調査にも活用される。ESA惑星防衛局では、小惑星のより正確な大きさの推定が可能となり、潜在的な危険性を評価するうえで重要という考えだ。

 同局のファン・ルイス・カノ氏は、衝突の可能性について過度に心配する必要はないとしつつも、「これは我々科学者にとって、この問題に十分注意を払うべきだという警告だ」とし、専門家はさらなるデータを必要としているという。

 この小惑星が、潜在的な脅威として初めて認識されたのは昨年12月。直径は39.9~89.9メートルほどで、銃弾の約15倍の速度で移動していると推定はされているものの、小惑星の密度や組成など、まだ詳しいことはわかっていない。

 JW宇宙望遠鏡は小惑星の大きさをより正確に推定し、反射する可視光ではなく、小惑星が放出する熱を研究するうえで役立つと期待されている。この方法により、より正確なサイズの推定が可能となり、小惑星の潜在的な危険性を評価するうえで重要となる。最初の観測は3月上旬に、2回目の観測は5月に行われる予定だ。

 観測から得た詳細情報により、衝突のリスクを排除できる可能性は高いとカノ氏は話す。「これは良いニュース。10件中9件は、これらの物体を危険リストから削除できるからだ。ただし、この物体が5月以降もリストに残る可能性は10%あり、その場合、2028年春にならないと再び確認できず、その時初めて、それが衝突軌道であるかどうかがわかる」

 最悪のシナリオについて尋ねると、カノ氏は1908年にシベリアで発生した「ツングースカ大爆発」に言及。この爆発では、約2150キロ平方メートルの範囲で樹木がなぎ倒された。今回の小惑星が仮に直系89.9メートルだとすると「ツングースカ大爆発の、ゆうに10倍は影響があるだろう」と説明した。

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