パスタを食べていて、最後の一本がなかなか上手にキャッチできずにイライラしたことがある方は多いのではないだろうか。
今、SNS上で話題になっているのはそんな最後の1本のパスタが簡単に食べられる皿の動画。
一見シンプルな白い皿だが、よく見ると小さなデコボコが4つ並んでいる。このデコボコにフォークの先がハマり、普通の皿ならなかなかすくえない最後の1本になったパスタが簡単にフォークの上に乗るという仕組みなのだ。動画ではこのお皿の使用例や3Dプリンタを使用し製作される様子が紹介されている。
シンプルながら「その手があったか!」というアイデアが話題を呼び、投稿は21万いいねを獲得。大阪ほんわかテレビ(読売テレビ)でも紹介されたこの皿について、デザインした辻尾一平さんに話を聞いた。
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ーー開発のきっかけは?
辻尾:これは学生時代、「おもてなし」というテーマのコンペに出した作品の改善版なんです。「おもてなし」というと一般的に料理を連想しますが、食べ易い皿もおもてなしの心では?という発想のもとデザインしました。食べづらいシーンをイメージし製作、さらに改善を重ねました。元々は皿の底面全体に溝が入っていたのですが、それだと洗うのが大変そうなので一部分のみに仕様変更しました。
ーーこだわりは?
辻尾:コンセプトを分かりやすく伝えることです。まずニーズ(共感)があるかを知りたかったので、お皿自体のクオリティより、作品紹介の動画構成にこだわりました。動画の冒頭にうまくパスタが取れないシーンを入れたのも、インスタ広告などでもよくある手法で、視聴者のイライラ感を掻き立てる、共感性を高める狙いがあります。
ーー公開後かなりの反響がありましたが、意外な言葉、改良への参考になるものなどありましたか?
辻尾:やはり汚れが溜まりやすそうという声が多かったので、製品化に向けて改善しています。投稿時に既に改善案はあったのですが、製品化と知財の出願をする予定だったので伏せておきたかったのと、ツッコミどころを残した方がコメントがたくさんつくかなと思い、そのまま投稿しました(笑)。
ーー今後の目標、開発予定を教えてください。
辻尾:今年の4月販売開始を目処に動いています。単なるアイデアグッズではなく、お皿として欲しくなるような製品を目指しています。
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SNSでは「この皿にフィットするスポンジも欲しい」「片手が不自由な人にも良さそう」「チャーハンの最後の一口が救える皿も欲しい」「利便性のために洗いにくさを犠牲にするデザイン」「箸が最強」などの反響が寄せられた。汚れが溜まりそう、との声が多数あったが、改善した作品の商品化を計画しているとのこと。販売開始など情報はXで告知されるとのこと。日常のささいなストレスを解消するグッズ。生活に取り入れてみてはいかがだろうか。
辻尾一平さん関連情報
Xアカウント:https://x.com/keltoto
ネットショップ:https://toal.shop