スタローンは人生の教科書 「ロッキー」「ランボー」ロケ地への〝聖地巡礼〟を続ける男性

山本 鋼平 山本 鋼平
都内で開催されたイベント「アメイジング商店街 映画部」に参加したjohnrambo9さん=9月18日
都内で開催されたイベント「アメイジング商店街 映画部」に参加したjohnrambo9さん=9月18日

 俳優のシルベスター・スタローンに心酔し、「ロッキー」「ランボー」などの映画ロケ地を特定した上で〝聖地巡礼〟を続ける男性がいる。johnrambo9の名前で活動を続け、これまでスタローン出演作以外も含めて60作品以上、米国、英国、ロシア、イタリア、ブラジル、英国など300箇所以上のロケ地を旅してきた。2009年に開設したブログ「シルベスター・スタローンのメモラビリアブログ」は、1日も休まず更新を続けている。

 johnrambo9さんは大阪出身。野球に熱中し中学2年生だった1985年に「ロッキー」をテレビ鑑賞し、強い影響を受けた。体を鍛え、英語の勉強に力を入れ、米国での暮らしを夢見るようになった。プロを多数輩出する名門高校で野球を続けたが、17歳で米国の高校に入学し、勉学に加えて野球などのスポーツも続けた。

 7年間米国で過ごした後、映画関連の仕事に就いた。現在は東京で別の業種に移ったが、スタローンへの愛は不変。「スタローン作品は人生の教科書です。作品のメッセージ性が強く、生きる上のヒントが多い。彼自身も紆余曲折のある人生を送っています。好きなのは『ロッキー3』で、ハングリー精神を失ったロッキーが敗れた後、友人の支えで立ち直ります。人生に悩んだときに、僕が立ち帰る原点です」と熱弁した。

 スタローン愛が〝聖地巡礼〟へと昇華された転機は、留学中の88年10月、「ロッキー」の劇中でスタローンがトレーニングを重ねたフィラデルフィア美術館の階段を駆け上がったことだった。留学前からの夢がかなうと同時に、他のロケ地への旅を志した。スタローン作品以外も、旅行の際の下調べで該当する有名ロケ地を来訪。「普通に観光するよりも楽しいんですよ」と笑った。

 訪れるのは、フィラデルフィア美術館のように観光地化したロケ地ばかりではない。インターネットを通じたファン同士の情報交換はもちろん、エンドロールに記載された団体や地域の観光課への問い合わせ、スクリーンに映ったストリート名や建物を手がかりにグーグルマップで検索する力技もこなす。ロケ地の飲食店に掲げられたスターの写真やサイン、現地の住民との交流など、〝聖地〟でしか味わえない面白さがある。また、帰国後は映画のカットと、同ロケ地での記念撮影を対比する画像や映像を作成し、楽しみの幅を広げている。

 「ランボー」の撮影はカナダ・ブリティッシュコロンビア州で行われ、その中心的役割を担ったホープタウンとは、問い合わせのメールをきっかけに、現地との交流が続いている。5年おきに開催される周年祭、今年10月の40周年イベントにも参加予定。コロナ禍で現地への旅行が難しい日本ファンのため、自身のブログを介して、公式限定Tシャツを国内で代理販売する。映画イベント等に出演する機会もあり、18日には都内で開催されたイベント「アメイジング商店街 映画部」に参加し、トークショーも行った。

 スタローン本人とは国内外で8回、接する機会があった。10年には羽田空港で「ブログをいつもありがとう」と声をかけられ「腹筋がおかしくなるくらいうれしかった」と感激した。

 次なる〝聖地巡礼〟の照準は決まっている。「ランボー/怒りの脱出」のロケ地で、弓矢を持つランボーのバックにそびえる滝があるメキシコ・アカプルコだ。「マラリアだけでなく、日本にない病原体を持つ動物や虫がいるので、ワクチンや準備が大変なんですけど、必ず行きたいですね」と腕をぶした。

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