パソコンといえば、WindowsやMacOSを搭載した機種を多く見かける。性能が良くてプロゲーマーも使用するようなゲーミングパソコンは、20万円以上というかなりの高額で販売されている状況だ。
一方で、それらと比べて安価で購入できる機種に注目すると、「Chrome OS」を採用しているものがあった。Chrome OSとはGoogleが開発したOSだが、このOSが搭載されたパソコンでは何ができるのだろうか。
Chrome OSを搭載したノートパソコンはChromebookと呼ばれ、すべての作業をオンラインで利用することを想定されている。Chrome OSの特長は、電源を入れてから10秒ほどでログイン画面に遷移するほど起動時間が短いところだ。起動の速さだけでなく、アプリを起動したりファイルを読み込む速度も速いため、軽快に使用することが可能。またセキュリティ性能が高く、ユーザーが意識的にウィルス対策をおこなう必要はない。
また、Androidスマートフォンと同じアプリが使用できるため、Androidユーザーには使いやすいパソコンであろう。データは主にクラウド上に保存されるため、パソコン自体のストレージの容量は少なくても問題ない。その分、費用も抑えることが可能だ。
文書作成用の「ドキュメント」や、表計算用の「スプレッドシート」などのアプリは、ブラウザ上で使用するため、わざわざパソコンにインストールする必要はない。ほかのパソコンからもブラウザからアクセスできるため、外出先などで別のパソコンを使用しても操作できる。
一方で、オンラインでの利用が想定されているため、オフライン環境での作業は限定されてしまう側面がある。事前に設定をしておけば、オフラインでも作業が可能だが、ファイルごとに設定する必要があるため、うっかり「あのファイルが必要なのに」という事態になってしまえば、すぐに利用できないのが難点だ。
また多くの人が文書作成や表計算で使用している「Microsoft Office」は、Web版しか利用できず、インストール版ほどの機能が使えない。Microsoft Office以外にもWindowsやMac専用のアプリは使用できないため、それらが必須だという人にも向いていないと言えるだろう。
さらに対応している周辺機器も限定されるため、「Chrome OS Flex 認定モデル」でない機器だと、Windowsパソコンでは使用できていたものが使えなくなる可能性もあるため注意が必要だ。
近年のインターネットやIT技術の進歩により、文書作成や表計算などブラウザ上で完結できるものが増えている。以前であればアプリを購入して、パソコンにインストールしなければならなかったのが、ブラウザ上で、しかも無料で使えるとなれば、ユーザーにはありがたい状況だ。
パソコンの使用が主にメール、文書作成、表計算といった基本的な事務作業や、チャットやビデオ会議でのオンライン作業が多く、さらに、パソコンに予算をかけられない人は、「セカンドマシン」として利用するのがオススメ。自身の用途をふまえて、次回のパソコン購入時に検討してみてはいかがだろうか。