兵庫県の斎藤元彦知事(47)が5日、県庁での定例会見で、片山安孝元副知事(64)が同日、県議会の文書問題調査特別委員会(百条委)がまとめた報告書を県議会が賛成多数で了承した後に「『公用パソコン(PC)の文書』の必要部分について、自主的な開示を知事に求めたい」とコメントを出したことについて、記者団から受け止めを問われた。
斎藤氏は、片山氏のコメントについて「承知はしてませんけども」と前置きした上で「PCについては、基本的には県民の皆さんの税金で購入させていただいて、使用している公の物」と述べた。
続けて「人事課とかに家族とかの個人情報とかを報告されて、そういったところのプライバシーとか写真とかっていうのは大事に保管しなきゃいけない」としながらも「一方で、公用PCですからね。県民の皆さんがどういった使われ方をされているのかっていうのは…やっぱり税金ですから、関心も高いですしチェックをしたいという思いはあると思う」と強調した。
ただ、斎藤氏は「現時点では、PCの中身を公表するということは県として決めてはいません」とした。
記者団から「決めてはないけれども、精査した上で(公用PCの開示を)検討したいということか」と問われた斎藤氏は「現時点で公表するということは決めてないんですが、いろんなご指摘はもちろんあると思う。どういう風にするかっていうのは…公用PCですからね。やっぱり税金で買わせていただいたパソコン」と指摘した。
さらに「なので、そこがやはり業務と関係ない使い方をされてたということは、県民の皆さんにとっても『どういう使い方をしてたんだ』っていう…自分たちの税金で買って公務員が業務に使うということがやはり本来のあるべき姿。納税者の方から見て、やっぱりいろんな関心もあると思う」と話した。
斎藤氏は「そこはどういった対応ができるかっていうのは、最初からすべてがダメとかっていう議論ではなく、手続きと内容の精査をしながら、どういう対応をするかっていうのを決めていくことにはなる」と明言した。
具体的な対応については言及しなかったが「今後、情報公開請求などがあればとかですね、後は、いろんな県民の皆さんの関心などを踏まえて、どういう風にしていくかっていうのは、今後議論を全くしないというのではなく、そういった議論はありうるという可能性を言った」と説明した。
記者団から「県民の関心も高まり、仮に情報公開請求があった際には、元県民局長の公用PCの公開というのも可能性があるということか」と迫られた斎藤氏は「請求があれば、もちろん検討はしていかなければならないと思いますし、最初から全てを公開しないのかっていうものでもなくて、一応そういった可能性については…議論をしていくっていうことはありうるというだけの話」とした。
斎藤氏のパワハラ疑惑などを文書で告発した元県民局長の男性の公用PCに記録されていたとされる私的情報については、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(57)がSNSなどで公開している。