高齢者による多重契約がSNS上で大きな注目を集めている。
「驚かないで欲しいんだけど
父は自宅に4社のプロバイダー契約をしていた。地元ケーブルテレビでインターネットをひいているのに、さらに3社と契約していた。動画配信サービスも3つ契約していた
これらの毎月の支払いは口座からで、口座が凍結されて、郵便が届くまでわからない状態だった」
と自身の父の例を紹介したのは介護福祉士のumeさん(@saiko110420022)。
毎月の口座引き落としは、いったん契約するとそれが何だったか正確に把握することが難しくなりがち。高齢者ならなおさらだろう。けっして他人事とは思えない今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは
「そういう方を狙って営業してくるのもあるかもしれませんね😭
また新しいのを契約してしまうかもしれないので、ずっと見ておかないとですよね💦」
「10年くらい前の話ですが、父1人暮らしの実家に行った時、たまたま携帯電話の請求ハガキを見てビックリ、かけ放題や色々契約して月々2万円以上の請求でした、即安い契約に変更し、腹が立ったので数ヶ月後には別の携帯会社に変更させました。絶対a社は契約しないことにしました。」
「口座の引き落とし契約を一覧で見られるようになるべきですよね。なぜ窓口ではできて、口座持ち主にはできない仕組みなのか?」
など数々の驚きの声が寄せられている。
ーーお父様が亡くなられたご年齢、状況は?
ume:父は70歳で今年1月に亡くなりました。自営業をしていましたが近年はあまり仕事がなく、年金受給しながら細々と仕事をしていました。母は健在ですが父の収入や支払いの事は父に任せてあり、全くわからない状態でした。
ーー多重の契約をされていたことを知った経緯は?
ume:死亡で引き落とし口座が凍結になり、引き落としで支払っていた会社から、郵便がどんどん届きました。それが何のお金なのかわからないものも多く、1件ずつ問い合わせていきました。中には解約がインターネットでしか受け付けていないものもありましたし、音声ガイダンスから、ショートメールでチャット誘導されて、なかなかオペレーターに直接繋がらない事もありました。解約月が決まっており、それ以外は違約金を払い解約するものもありました。
ーー契約解除の作業をされたご感想、各社の契約解除への対応についてご感想をお聞かせください。
ume:コールセンターのオペレーターの方は繋がってしまえば、対応が悪いという事はなかったです。おそらく、父は固定電話にかかってくる営業の電話にはいはいと契約してしまい、何年も1度も見ていない動画配信サービスのお金を払い、プロバイダーもお安くなりますと言われて加入して、前のプロバイダーを解約しないで放置していたのだと思います。Wi-Fiルーターも3社分あるはずなのですが見当たらず、捨てれば解約だと思ったのでしょうか?
スマホもほとんど通話機能しか使用していないほどで、インターネットや動画配信サービスには疎く、意味がわかっていなかったと思います。ですが、プライドが高い人でしたので、母や子どもに相談できなかったのかなと思います。子どもは私を含め4人います。
ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。
ume:多くの方がリツイートしてくださいました。全て見れていないですが、概ねなんとかしないとうちの親も心配だ。という内容でした。親が高齢で心配な方はスマホの契約内容や、家のインターネットの環境を見てあげたらいいと思います。ただうちの父のようにプライドが高い方だと、年寄り扱いされる事を嫌がられる場合もあるので、その辺りはうまくできない家族もあるのかなと思います。
私は介護福祉士です。たくさんの認知症や高齢者、その家族と関わってきました。認知症でなくても高齢者は新しい情報に疎くなります。そして頑固になる事も多いですし、営業されて断る判断能力が鈍ったり、うちの父親のように解約が複雑だと諦めたり、自分が今どんな契約か理解ができない、だんだん色んな事が怠惰になるという症状は現れるので、しっかりしていそうな方でも、周りが見守るべきなんだなとあらためて思いました。
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独立行政法人国民生活センターはホームページ「高齢者とそのまわりの方に気を付けてほしい消費者トラブル 最新10選」で全国の消費生活センター等に寄せられた相談やこれまでの公表資料などから、高齢者と、高齢者を見守る人々に向け、特に気を付けてほしい消費者トラブルを紹介している。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
umeさん関連情報
Xアカウント:https://x.com/saiko110420022
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国民生活センター「高齢者とそのまわりの方に気を付けてほしい消費者トラブル 最新10選」:https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20220914_1.html