地図大手のゼンリン(本社・福岡県北九州市)が20日より販売を開始したピンバッジ「街まち 47palette カラーピンズ」が話題を呼んでいる。魅力は各都道府県をかたどったデザインに、名産品などをイメージした彩り豊かな配色。なかでも突出した売れ行きを見せているのが「群馬県」。発売初日に完売するほどの“群馬爆売れ”の要因を同社に聞いた。
「街まち 47palette―」は、宮城県は「ずんだ」、滋賀県は「琵琶湖の夕日」、福岡県は「めんたいこ」といった名産品や名所のカラーモチーフで彩られたピンバッジ。造形は各都道府県の形をかたどっており、地域別の境界線が刻まれている。同社の商品企画担当者は地域別の境界線について、デザイン性の担保のほか「『この分け方は何だろう?』『その地域の分け方、天気予報で見たことある!』と、その都道府県にゆかりのある方へ新たな発見をしていただけたり、会話のネタにしていただけるのでは」と込めた思いを明かした。
発売するやいなや、同担当者も「売れ行きは突出しておりました」と明かす人気ぶりを見せた県があった。それが群馬県。色合いは「こんにゃく」をモチーフにしている。この“群馬爆売れ”は今回が初めてではなく、3月に発売しSNSなどでも話題を呼んだ「47都道府県ピンバッジ」でも同様に、群馬県が突出した売れ行きを見せていた。つまり、この売れ行き、決して偶然ではないのだ。
人口が多い東京都や大阪府、あるいは形が分かりやすい北海道などを差し置いて、なぜ群馬県が人気なのか?同担当者に聞くと、「あくまで群馬県出身の社員の個人的な見解」と前置きした上で、その要因を「群馬県民郷土かるた『上毛かるた』で『つる舞う形の群馬県』と詠まれていたり、橋のたもとにある河川名を掲示した看板が県の形をしていたり。県の形への認知が高く、愛着があることが要因ではないかと思います」と分析した。
実際のところ、形が広く認知されている北海道も比較的売れ行きは好調だという。また、県の形を模したゆるキャラの影響もあってか千葉県も好調だといい、「県の形」というピンポイントな認知と愛着が影響している可能性を裏付けている。
また、SNSでは群馬県の「こんにゃく」をモチーフとした色合いに「くすみカラーがいい!」という声もあり、「色で買われているケースもあるようです」と同担当者。全都道府県に共通してモチーフの選定は「名産品や名所としての全国的な知名度」ではなく「その都道府県にゆかりのある方に『そうそう、そうだよね!』と思っていただけるもの」を心がけたという。
取り扱いは、地図がデザインされた文具・雑貨を販売する「Map Design GALLERY」各店舗およびオンラインストアにて。26日午後4時の段階で、オンラインストアでは群馬県のみ「売り切れ/入荷待ち」状態となっている。