カピバラは鬼だった!生き物界にもたくさんいるオニの正体

篠原 かをり 篠原 かをり
カピパラ(ZuZu/stock.adobe.com)
カピパラ(ZuZu/stock.adobe.com)

 今回は節分ということで身近な鬼についてご紹介します。童話や昔話のラスボスポジションに君臨している鬼。日本でも指折りの知名度を誇る馴染み深い妖怪だけあって、動植物にもオニの名前を冠したものがたくさんあります。

◆オニヤンマ

 オニ名前界で最も有名なのがこのオニヤンマではないでしょうか。オニヤンマは、黄色と黒の体色が特徴的な日本最大のトンボです。厳つい顔つきと鬼の褌を思わせる体の色からこの名前が付けられたそうです。

 ちなみに鬼が虎柄の褌を身につけている理由は、鬼が出入りする「鬼門」を十二支で表した方位でいうと「丑寅」にあたるため、牛の角を生やし、虎を身につけているイメージになったからだそうです。

 オニヤンマは正に鬼神の如き強さでアブや蚊といった虫から恐れられているため、オニヤンマの姿を模した虫除けグッズも数多く販売されています。

◆オウゴンオニクワガタ

 栃木県や茨城県の方言でクワガタムシを「オニムシ」といいます。カブトムシを「オニムシ」と称することもあるそうですが、私の曽祖母は「マグソムシ」と呼んでいたので、曽祖母に準拠しました。科全体がオニムシと言われる中で更にオニの名前を冠した属名に分類されるのは相当オニ度が高いだろうなと思い、選出しています。

 オウゴンオニクワガタとは別に日本にもオニクワガタがいるのですが、今回は色に関連しているオウゴンオニクワガタにしました。鬼は色ごとに5つの煩悩を象徴しているそうです。赤鬼は「欲望」、青鬼は「憎しみ」、緑鬼は「倦怠」、黒鬼は「疑い」、黄鬼(白鬼)は「甘え」を意味するとか。オウゴンオニは黄鬼に分類されるでしょうか。

◆カピバラ

 一見するとどこがオニなのか分からないカピバラ、実は和名をオニテンジクネズミといいます。ちなみにテンジクネズミだとモルモットのことになります。

 カピバラは世界最大の齧歯類です。オニは厳つい見た目や棘だけではなく、平均的なものより大きい種類の名前にもよく付けられます。かの有名な鬼、酒呑童子は二丈(約6m)、残された足跡は60cm。これより大きい鬼の足跡と言われる大穴も存在するくらいなので、やはり鬼は比較的大きい妖怪なのでしょう。

 齧歯類だと、他にもアフリカオニネズミという地雷除去で活躍する巨大なネズミも名前にオニを冠しています。ドブネズミをそのまま大きくしたような、可愛すぎないところが可愛いネズミです。残念ながら、検疫の都合で日本に入ってくることはありませんが、私がこの世界で一番飼ってみたいオニです。

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