タレントのデヴィ夫人(85)が代表を務める政治団体「12(ワンニャン)平和党」が25日、公式ホームページなどで、20日に同団体が解散したことを発表した。デヴィ夫人は2月12日に都内で行った設立会見で、日本初の犬猫保護に特化した国政政党を目指し、7月の参院選全国比例での立候補を表明していたが、ニャンともびっくりな結末になってしまった。
デヴィ夫人は、ワンニャン平和党の公式ホームページで公開された動画の冒頭で「大変残念なご報告を申し上げなければなりません」と切り出した。「私の人生の集大成としてワンニャン平和党を設立し、国政政党として国会での活動を行わなければならないと考えてまいりました。犬猫を守るためのワンニャン平和党の12…ワンニャンの公約を法制化しようと精一杯の行動をしてまいりました」とこれまでの経緯を振り返った。
ワンニャン平和党の「一丁目一番地」の政策として、犬猫の食用禁止の明確な法制化を目指すとした。24年7月の東京都知事選で次点に躍進した石丸伸二氏(42)の参謀を務め〝選挙の神様〟と言われた選挙プランナー・藤川晋之助さんが選対委員長に就任。比例、選挙区で10~30人を擁立し、4月に候補者を発表する方針だった。藤川氏は「最低でも2議席から3議席取ってみせます。なかなかおもしろい選挙になるとワクワクしております」と豪語していた。
陣頭指揮を執るはずだった藤川さんが、3月11日に急逝。デヴィ夫人自身も16日、女性に向けてシャンパングラスを投げつけた暴行容疑で警視庁から書類送検されている。
インドネシア国籍で、出馬に向け24年10月に帰化を申請したデヴィ夫人は「藤川晋之助氏のご逝去という予測できない事態に加え、私自身の日本国籍への帰化承認問題が未解決のままで現在に至っております。活動には期限があることから、政党としての活動を残念ながらここで一旦終了することを決断せざるを得ませんでした」と、解散理由として自身の参院選出馬の見通しが立たなくなったことを挙げた。
設立会見で「私の人生は戦争、敗戦、クーデター、動乱…とまさに波瀾(はらん)万丈。人生の集大成として、政界に一石を投じようと立ち上がりました」と宣言したデヴィ夫人。ワンニャン平和党は旗揚げ発表から67日で解散する波乱の結末を迎えたが「犬猫を始めとした全ての動物愛護活動は、今後も一生の課題として続けていく所存でございます」と語った。