65樹種210本以上 かっこいい棒がずらり 最高価格1億円!「試し殴り」もできる「大棍棒展」

表情の異なるこん棒がずらりと展示されている
表情の異なるこん棒がずらりと展示されている

 65樹種・210本以上の棍(こん)棒が並ぶ「大棍棒展」が大阪市中央区・KITAHAMA N Galleryで開催されている(20日まで)。会場には長さや重さが異なる棍棒がずらりと展示され、来場者が『試し殴り』をする「コーン」という音と、主催の「全日本棍棒協会」メンバーによる「ピエエエエイ!」のかけ声が響いた。

 木の香りが立ちこめる会場には、カシ、クヌギ、ヒメシャラ、キリ、ヤマザクラ、キンモクセイ、サカキ、アカマツなど主に奈良や大阪で集められた65樹種の棍棒が並ぶ。子どもから大人までさまざまな来場客が棍棒を手に取り、重さや堅さの違いを体感していた。会場内には、試し殴りコーナーも設けられ、樹種や大きさの異なる4種の棍棒で太い木材を殴ることができる。

 協会長の東樫会長(30)は、山の生物多様性向上を目指す里山制作団体「つち式」の代表も務める。管理が行き届かない人工林が増えるなど、山を取り巻く現在の環境を危惧し「少しでも山に目を向けてもらえれば」と、棍棒の展示会を開いた。

 棍棒は木片の一部をなたややすりで削り、持ち手となる部分が設けられる。東氏は樹皮に覆われた「外身」と、あらわになった「中身」の2面を1本で見比べられる点を魅力に感じ、「コレクション的な欲求」で次々に種類を増やしていったという。同協会は、棒の飛距離を競う競技「棍棒飛ばし」も生み出した。

 展示されている作品はその場で購入することもできる。3000円のものもあれば、棍棒飛ばしに適した“競技用”の「殴打棒」は5~7万円のものも。赤く光沢があるヒメシャラの木で作られた、重さ約3・7キログラムの棍棒は6万円で売れた。会場内の最高価格は「枝の感じがかっこいい」という、同協会のシンボル的棍棒の「1億円」。13日時点ではまだ買い手はいない。

 11日から始まった展示会は、「試し殴り」を紹介する動画がSNSで拡散され盛況。道管の形状が珍しいというヒトツバタゴ(通称・ナンジャモンジャ)の棍棒も展示されている。東氏は「どうやら日本には1000種類くらい木があるそうなので、ここまできたら全部作ってみたい」と今後の製作に意欲を見せていた。

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