大手バイクメーカー「スズキ」が28日、東京ビッグサイトで開催中の国内最大級のモーターサイクルイベント「東京モーターサイクルショー」に出展。ブースでは、カプコンの人気ゲーム「ストリートファイター6」とコラボした、特別仕様の「GSX-8R」を展示した。
担当者によると、元々は二輪関係ではなく、デジタル事業の関連でつながったカプコンと2024年の秋に意気投合したことがきっかけだという。昨今は若年層の獲得が課題となっている二輪業界。若者を中心にコミュニティが広がり、国内で100万本を売り上げた「ストリートファイター6」や、人気の「モンスターハンター」シリーズを抱えるカプコンはその点の強みを持っているということで、「何かできることはないか」と、とんとん拍子で話が進んだそうだ。
「スト6」の人気キャラクターの1人、ハン・ジュリがバイクに乗っているという設定であることから、コラボ車両は、キャラに合わせたカラーリングやデザインを特別仕様に施した。ベース車両が「GSX-8R」に選ばれた理由について、スズキの関係者は「カプコンさんとの話し合いで、もしジュリが乗るならどの車両かなという話になった。自然とこの車両に決まりましたね」と明かした。
この車両は両国で開催された「ストリートファイター6」の世界大会「カプコンカップ」で初披露された。特別仕様ということで「非売品」なのだが、実際に車両を見たファンや、SNSでデザインを見たユーザーからは「買いたい」という多くの声が集まったという。ゲームのイベントではなく、バイク好きが集まる「東京モーターサイクルショー」での展示でも注目を集め、多くのファンが写真を撮影するなどしていた。
販売を希望する声については担当者も「もちろん存じております」と反響の大きさを認識している。現状としては「カプコンさんとも『末永くお付き合いしていきましょう』という話をしたばかり。その話し合いの中で、機会があれば市販をするようなプロジェクトも考えていきたいんですが、今というのはご期待に添えそうにないというのが現在の回答」と話す。ただ「ですが将来にご期待くださいといったところです」と今後の展開には含みを持たせていた。