テレビ番組の視聴方法は年々多様化し、みんなで一家一台のテレビを見る時代から、すっかり1人1人がスマホなどで見る時代に。そんな令和の世に、あえて複数人で集まって一緒に見ているのはどの番組なのか。新指標「共視聴率」を用いて検証すると、フジテレビの番組が1~5位を独占。従来の視聴率だけでは測れない人気番組の実態が明らかになった。
家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビスクリーンの「視られている量」を測るREVISIO株式会社がこのほど、複数人が集まって見たテレビ番組をデータで検証。全視聴者がテレビ番組に目線を向けた時間のうち、2人以上が同時に目線を向けた時間の割合を「共視聴率」と定義し、共視聴率が高い順にランキングを作成した。
1位はフジテレビ系「新しいカギ」(土曜、後8・00)で51.4%を記録した。チョコレートプラネット、霜降り明星、ハナコを中心としたコントあり、企画ありのバラエティー番組。実際の学校内を使ったコーナー「学校かくれんぼ」が若年層を中心に人気で、その結果として複数人での視聴が多かったのではと同調査では分析している。
2位は同局系「芸能人が本気で考えた!ドッキリGP」(土曜、後7・00)で51.0%を記録した。普段はドッキリを仕掛けられる立場の芸能人がドッキリを仕掛ける番組。放送枠は1位「新しいカギ」の前枠で、交互に2時間スペシャルになることが多く、連続した2時間枠として複数人で視聴していることも考えられる。
3位も同局系の「逃走中×逃走中 グレートコラボSP」(4月9日放送)が50.1%がランクイン。4位「ちびまる子ちゃん」(47.2%)、5位「千鳥の鬼レンチャン」(47.1%)と続き、1~5位までをフジテレビが独占。上位15番組中8番組が同局系の番組となり、他局を圧倒する結果となった。
曜日や時間に注目すると、週末のゴールデンタイムが上位に集中。また、カテゴリー別で見ると、上位15番組のうち12番組がバラエティー。4位「ちびまる子ちゃん」と7位「ドラえもん」がアニメ番組で、14位「キリンチャレンジカップ2023 日本×エルサルバドル」(6月15日放送)がスポーツから唯一ランクインした。
調査を実施した同社の担当者は、新指標「共視聴率」について、臆測の域は出ないとした上で「(共視聴率が高い番組は)若年層が家族と一緒に見ていることを示すことになるのでは」と分析し、今後の活用に期待した。
◆分析データ
対象期間 2023年4月3日から6月18日まで(同期間で複数回放送があった番組は平均値を採用)
地 域 関東エリア(2000世帯)