カーマニアの間で「名車中の名車」と称される国産旧車が、CS放送「映画・チャンネルNECO」の30分枠ドラマ「旧車探して、地元めし」の第7話(4月29日初回放送)と第8話(5月6日初回放送)で紹介される。実際にハンドルを握った主演の升毅と番組プロデューサーが、よろず~ニュースの取材に対し、旧車の魅力や番組制作の裏側、今後の展望などを語った。
三重県四日市市を舞台にした第7話「三重前編」には、1971年の発売当時「ロータリーエンジンの時代がここから始まる」と評された「マツダカペラRX2」をはじめ、「ホンダZ360」「トヨタ・スプリンタートレノ」が登場。同県亀山市が舞台の第8話「三重後編」には「ヨタハチ」の愛称で知られ、65年に発売された国産小型スポーツカーの傑作「トヨタスポーツ800」が登場。エンジン音や走る姿を堪能できる。
升は「Z360は何より見た目のかわいさが抜群!カペラは逆輸入車という事もあり、初めての左ハンドルマニュアルシフトには手こずりましたが、慣れればさすがの走りに感動!スプリンタートレノは当時の憧れの車だったが、見てよし、走ってよし、文句なし!欲しくなる1台!ヨタハチは言うことなしの名車!運転は若干のクセがあったが、オープンカーならではの爽快感。もっと広い道をロングドライブしたくなりました!」と各車を評した。
プロデューサーの新保和也氏は「Z360は当時の人気色でもあるオレンジ色の車体が湾岸沿いの高速道路を走行するシーンが見どころ。車両はレストアで、リアウインドの黒縁が完ぺきな美しさ。カペラは『ロータリーエンジン』搭載かつ欧米向け左ハンドルという希少車。今回の見どころは(中古車販売店の)『ヴィンテージ 宮田自動車』。日本には数台しかないと言われている『アルファロメオ モントリオール』も登場します」と補足した。
さらに、升は「第7話は何と言っても名物社長・宮田さんのキャラクター。そして四日市の工場夜景は見もの!第8話は新シチュエーションのヒッチハイク。しかも、ヒッチハイカーが『ぐっさん』(山口智充)とくれば、向かうところ敵なし!面白さは半端ない!」と付け加えた。山口自身も大の旧車好きで、本人の熱烈な逆オファーで出演が実現したという。ヒッチハイカー役で登場し、升と軽妙なやり取りを繰り広げる。
これまで「日産スカイライン2000GT-R」(第1話)、「ホンダシティカブリオレ1200」(第2話)、「マツダR360クーペ」(第3話)、「スズキカプチーノ」(第4話)、「日産ダットサントラック」(第5話)、「日野コンテッサ1300クーペ」(第6話)などが登場。升は「コンテッサ1300クーペが1番印象的。見た目、希少性、ドライビングで3冠王!」と評した。
新保氏は「まず自動車店リサーチから始め、後はオーナーさんに個性的な人が多いので出演交渉して出演してもらいました。クルマ好きではない人にも楽しんでもらいたいので、形の変わった車種やどこかで見た車種を選ぶようにしています」と明かした。
もう一つのテーマが「地元めし」。第7話には、そのボリュームから〝グローブ〟と称される四日市市の「大とんてき」、第8話には秘伝のみそと〝追いうどん〟が魅力的な亀山市の「みそなべ」が登場する。
升は「プライベートでも愛車を走らせ、うまいもの食べに行くので、特に意識する事なく自然体で表現できていて…。素敵な(食べ物と車の)カップリングにただただ感謝です。キャンプ編で食べたジンギスカン。やはり自然の中で好きな料理をしながら味わう。最高で〜す!」と舌なめずり。
新保氏は「地元の人が日常的に食しているモノを『全国的』だと思っていても、実はそうではなく、そんな食べ物を車で買いに行く、食べに行くということが企画の発端。その移動手段として車、それも消えゆくガソリン自動車を登場させたら、クルマファンとグルメ好きの両方を補えるのではないかと考えました」と解説した。
升は「旧車と地元めし。好きな方がとても多い事に驚きと喜びを感じています。役者を使わず、実際に地元の店の方と触れ合える事のありがたさ。これは役者としても、個人としても財産になりました。限られた時間と予算の中でさらに良い作品にするために、今後は、もっともっと多くの方にご覧いただける具体的な努力をしていかなければ。シュチュエーションのバリエーションはまだまだ無限にありますから」と意欲を示す。
新保氏は「『都内で撮影しない』をルールとしてスタートした本シリーズですが、結果的に、情報系番組でもあまり拾われない地元の食べ物が紹介できたり、歴史に埋もれがちな軽自動車や一般車も登場。しかも、その車が今も元気に走る所を見てもらえるのは制作側としてもうれしい限りです。今後はぜひ、四国や九州にもうかがいたい」と新展開を描いた。