物価高や光熱費値上げで苦しい庶民生活、100円ショップは味方になるか?利用者に聞く「百均節約術」

深月 ユリア 深月 ユリア
100円ショップで購入した断熱シート。窓に貼って冷気を防ぐことで光熱費の節約になるという
100円ショップで購入した断熱シート。窓に貼って冷気を防ぐことで光熱費の節約になるという

 物価高や光熱費の値上げなどによって、庶民は日々の生活を切り詰めざるを得ない状況になっている。ジャーナリストの深月ユリア氏が、その打開策として「100円ショップを活用した節約生活」を実践している利用者たちの声を聞いた。

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 安くて便利な100円ショップ。「光熱費含め、物価が値上がりしても、100円ショップの商品を多用すれば生活費が節約できる」という声もある。

 日頃から100円ショップを活用しているという神奈川県在住の50代男性会社員は「特にお薦めの商品は『セリア』(※岐阜県大垣市に本社のある100円ショップチェーン店)の断熱シートとカーテンで、光熱費削減に役立ちます。断熱シートを窓に張って冷気を防ぎ、全ての窓にカーテンを掛けたら暖かくなりました。エアコンの温度設定が2度低くできたので、この冬、(電気料金で)数千円は節約できたかと思います」と振り返った。

 断熱シートは猫柄、雪柄など複数の種類があり、おしゃれだ。セリアには断冷クリアカーテン、アルミ断熱カーテンも販売されている。筆者が神奈川県にあるセリアに2月下旬に行った際にはいずれも品切れになっていた。同店のスタッフは「在庫はあるのですが、人気商品で欠品になっています。いつ入ってくるかは分かりません」と明かした。

 そして、100円ショップには忙しい人に便利な調理器具の販売もある。先述の50代男性は「『ダイソー』(※国内外で展開する100円ショップの大手チェーン)にある、電子レンジ用の調理皿でラーメン、パスタなどの料理をつくっています。ガス代の節約にもなります」と話した。類似の商品をインターネット通販で購入すると300-1000円するので、これはお得だろう。

 また、大半の化粧品を100円ショップで購入しているという都内在住の30代女性モデルは「化粧水、乳液は100円ローソンなどで販売されている『豆乳イソフラボン』を使用しています。無香料、無着色、弱酸性で肌に優しいです。アイブローやアイライナー、マニキュア、シャンプーやリンスも100円ショップのものを使っています。私は特に肌に異常もありません」と証言。一方で、「ファンデーションだけは100円ショップで購入しません。長時間、肌に付けっぱなしになるので、なるべく刺激が少ない天然成分のものがよいのですが、今のところ100円ショップにはそのような製品が売り出されていないからです」と付け加えた。

 筆者も10年以上、100円ショップの化粧水、乳液、アイブロー、アイライナーを使用してきているが、特に肌に異常を感じたことはない(※個人の見解)。化粧品の一般的な相場でいうと、化粧水や乳液はプチプラ(※プチ・プライスの略で、品質やセンスが良く、かつ安価な商品)でも700円以上、アイブロー・アイライナーは500円以上で販売されている。

 なお、一部の100円ショップの化粧品は、化粧水が140円に、アイブローが200円になど急騰しているが(それでも安いのだが…)、神奈川県内の100円ローソン店員は「材料費高騰による急な値上がりで私もビックリしています」と感想を口にした。

 東日本大震災の「3・11」が近づいてきた。地震への備えを改めて意識づける節目の時期となるが、100円ショップでは防災グッズも安価で購入できるという。

 都内に住む俳優の鈴田之神助氏(61)は「ソーラーライトをダイソーで購入しました。太陽電池によって昼間に充電し、夜に庭を照らすもので、災害対策にもなります。乾電池なども8本入りのマンガン電池が100円ですからお得です。缶詰めや調味料、紙製の下着もありますから、100円ショップで防災対策もできますね」と充実の品ぞろえを強調した。

 ちなみに、ソーラーライトはインターネット通販で購入すると2000円くらいのものがほとんどだが、ダイソーでは100-300円で購入可能だ。神奈川県内の同店員は「ステンレスのガーデン・ソーラーライトが特に人気で、当店では(2月下旬時点で)在庫が残り1個となりました」という。

 ダイソーには他にも簡易トイレや非常用アルミシートが100円、ウォータータンクが300円で販売されている。同店員は「特に『非常用アルミシート』は人気です。暖かくて、寝袋の代わりにもなります」と説明 。通常、寝袋を購入すると、数千円はするので破格の安さといえよう。

 ただし、100円ショップにはスーパーで買う方が安い商品もある。都内の40代主婦は「スーパーだと90円台で購入できる調味料、お菓子が100円ショップだと(そのまま)100円です」と指摘。また、安くても、量販店で購入するより少々使いにくい商品もあるという。その一例として、都内の20代女性会社員は「モバイルバッテリーでは充電スピードが遅く、スマホをフル充電するのに3-4間かかるものもあります。安いので、それはそれで価格相応ともいえますが…」と私見を述べた。

 自分にあった商品を選ぶことで、100円ショップは節約生活の心強い味方になるだろう。

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