キン肉マン 学研の図鑑第2弾は「技」1400種類を網羅「理にかなったものばかり」

山本 鋼平 山本 鋼平
『学研の図鑑 キン肉マン「技」』通常版のケース
『学研の図鑑 キン肉マン「技」』通常版のケース

 学研プラスはこのほど、『学研の図鑑 キン肉マン「技」』の発売を決め、販売予約を開始した。発売予定は今年9月15日。2019年5月に発売された『学研の図鑑 キン肉マン「超人」』に続く第2弾となる。前作は発売前のインターネット予約だけで3万部を超え、子ども向け学習図鑑は初版部数3万部で上々とされる中、異例の初刷部数10万部をマークした。同社のコンテンツ戦略室室長で、再び担当編集を担う芳賀靖彦さんに話を聞いた。

 「キン肉マン」は1979年から87年まで「週刊少年ジャンプ」で連載された大人気漫画。原作は嶋田隆司氏と中井義則氏のコンビ、ゆでたまご。97年から2011年まで「キン肉マンⅡ世」が発表され、2011年に開始された「キン肉マン」の続編が現在も続く。

 新作で取り上げたキン肉マンの「技」は、前作で思い残したテーマだった。「動物図鑑のパロディだった前回は、全超人を標本として掲載しました。焦点がぼけてしまうので技は一切収録していない。原作ではキン肉バスターなど技そのものが物語の重要な要素になるほどなので、技がないとキン肉マンの魅力が半分しか伝わらない、とも思っていました」と芳賀さん。好評を受けて前作の完成と同時に第2弾の構想を伝えたところ、ゆでたまご両氏から歓迎され企画がスタートした。

 最初に「キン肉マン」「キン肉マンⅡ世」の計130冊を超える単行本から登場した技を全てピックアップし、エクセルに入力。合計6600回技を繰り出し、1400種類と判明するまでに半年を要した。新作では打撃技、浴びせ技、外傷技、関節技、投げ技、打ち付け技、衝撃技、封じ技、超人技の全9項目に分類し、1600点を超えるイラストで紹介。作品オリジナル技はもちろん、ヘッドバットなど作中で使われた実在のプロレス技も網羅した。「関節を極める技が多いのですが、人体の構造上、理にかなったものばかりで驚きました」と、新たな発見もあった。

 ゆでたまご両氏からは「資料になりますね」と賛辞を送られ、完成に向けて気合が入る芳賀さん。1980年代の爆発的なキン肉マンブームをリアルタイムで体験。小学5年生時には誌上で実施された超人募集企画に投稿し「ジャンクマン」が採用され漫画に登場。「ハンマーヘッド」も芳賀さんの投稿から生まれたキャラクターで、「闘将!! 拉麺男」の必殺技投稿企画では「人輪血水車」で最優秀賞を獲得した。「当時は連載開始から40年たっても新作が読めるとは思っていませんでした。そんな作品に現在関わることができて、『図鑑』まで作れるのは本当に幸せなことです」と感慨深げに話した。

 人気の技や展開が複雑な技は、コマ送りの展開図を掲載して動きを解説。技を繰り出す超人の能力や変身形態を解説する「超人のしくみ」や、人気超人が過去に放った技の全データを集計、分析した「超人技分析データ」など、超人についてさらに詳しく知りたい“かつての良い子たち”の学ぶ意欲を刺激する内容が満載。「前回は図鑑でしたが、今回は『技の教科書』を目指しています。キン肉マンが大好きな方にも、新しい視点が見つかるのでは」と手応えを口にした。

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