〝言葉遊び〟で誕生した「36・8度の体温計」に絶賛の声「介護現場でほしい」

松田 和城 松田 和城

 

「体温」と「角度」の言葉遊びで、脇に挟む計測箇所を36.8度に折り曲げた体温計が「思いのほか測りやすい形」「介護現場でほしい」などツイッター上で話題となっている。ツイートを投稿したもにゃゐずみ(@Monyaizumi)さんに話を聞いた。

 同氏は「きっかけはただの妄想ネタだった」と振り返ったが、アイデアを思いついた時点で実用性のイメージはある程度ついていたという。角度をつけたことで挟んだ際に体温計が体から飛び出ない。あおむけの状態では体温計を支えたり脇を必要以上に強く締め付ける必要がなく、楽な姿勢で計測できるように想定した。投稿後、一般の人だけでなく医療・介護現場の人からも好意的な反応が寄せられた。「誰でも使いやすいユニバーサルなデザインは意識していたので、幅広い方々に使っていただけるだろうなというイメージこそありましたが、『介護現場』『育児』『病院』など、第三者が体温を計測するシチュエーションは個人的にも目からうろこでした。もしそういった場でも役立てるようなら本当にうれしいです」と話した。同ツイートは3月10日時点で2万を超えるリツイートと12万5000以上の「いいね」を獲得している。

 「36.8」という数字は日本人の平均体温とされる36・89度から決めたという。「温度と角度って全く概念が異なるのにどっちも単位が『度(Degree)』でおもしろいなと子供のころから感じていたので、体温(℃)を測る体温計を『度(°)』で折り曲げてみたいなと思ったのがきっかけです」と答えた。

 制作期間は約1週間で、3DCGソフトで一からモデリングした。「実用の際の使いやすさを3D上で検証するためのプロトタイピングだったので、なるべく実際に商品化した形として理想的なものを追求しました」とこだわりを明かした。

 まだ実物は制作していないが、販売は前向きに検討しており、現在は各所と意見を交換している。「昔の水銀体温計とは違い電子体温計なので、まっすぐである必然性は必ずしもないと思っており、実装も比較的簡単にできるのではと踏んでいます。もし体温計のメーカーさんなどでお声かけいただけるようなことがあればそれもまたありがたい状況です。関係者のみなさま、もしよろしければご連絡のほうお待ちしております」と呼びかけた。

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