「深く考えすぎる」「刺激を受けやすい」「共感力が強い」「自己否定が強い」などの心理的性質を持った人々を指す言葉であるHSP。数年ほど前から話題となり、今や関連書籍やメディアで特集される機会も多い。
当事者本人にとって重大な問題であるため真面目に扱うことが当然のテーマとなっている中で、あえてユーモラスな視点で読みやすく理解しやすい作品として描かれた漫画が注目を集めている。作者は、自称“台湾好きのHSP漫画家”のおがたちえさん。自身が刺激追求型HSPである性質を存分に活かし、書籍『繊細すぎて生きづらい〜私はHSP漫画家〜』(ぶんか社)を上梓し、月刊フォアミセス(秋田書店)にて『HSPの歩き方〜ハッピー・センシティブ・パーソン!〜』などを連載している。今回は、そんなHSPに悩む人々の必読書とも言われる数多くの作品の中から、note掲載の漫画と共に、おがたさんのインタビューをお届けする。
生きづらさもあるけれど、同じぐらいプラスもある
おがたさんがHSPに関する漫画を描き始めたのは、このテーマをもっとわかりや伝えたいという思いがきっかけだった。「些細な一言でクヨクヨし、威圧的な人のターゲットにされやすいなどの人間関係に悩んできました。あるとき、自分の弱さを克服しようと一念発起。色々な関連書籍を取り寄せてみたのですが、どれも真面目な実用書ばかり。インターネットで調べた時に、想像以上に悩んでいる方々が多いと知っていたので、もっと読みやすく、心を楽にできるような作品を描きたいとの思いになり、noteで4コマ漫画を描き始めたんです」。
この作品は、思いがけず多くの反響を呼び、一躍テレビや出版社からの取材依頼が殺到。またたく間に、HSPに関する漫画連載をはじめ、エッセイを出版するまでに至った。こうした活動を通して、おがたさんはこのような思いを伝えていきたいと話す。「繊細すぎて生きづらいところもあるけれど、それと同じぐらいプラスに活かせる部分もある。ただ、辛いときに『こうしたらいいよ』と応援されると心の重荷になることもあると思うので、そっと寄り添えるような漫画になるように気をつけていますね」。
人によって性質の特徴は千差万別といわれる繊細さんたち。おがたさんの漫画では、そうしたHSP特有の性質に考慮し、 “あるある”というユーモラスさを散りばめながら、一面的な描き方ではなく背中をそっと押してくれるような内容となっている。読者からも「私のことかと思った!」「私だけじゃないとホッとしました」など共感の声が絶えないという。
「今後は、不登校や学校が苦手なHSC(とても繊細な子)に向けて、敏感な思春期の気持ちが楽になるような漫画を描いてみたい」と話すおがたさん。暗いニュースが続く世の中で、心が重たくなっている人々に、次はどのような光を灯してくれるのだろうか。今後も楽しみでならない。
■■おがたちえさんのSNS
note / https://note.com/ogatachie/
Twitter / https://twitter.com/ogachinpa?s=20
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Souflle『ウチの子、繊細ちゃん?』
https://souffle.life/author/uchi-no-ko-sensai-chan/