たのきん・野村義男がウクレリストで活躍していた!職人よっちゃん、手作り楽器を高木ブーにプレゼント

北村 泰介 北村 泰介
高木ブー率いる「1933ウクレレオールスターズ」をウクレレ奏者として支える野村義男=都内
高木ブー率いる「1933ウクレレオールスターズ」をウクレレ奏者として支える野村義男=都内

 ザ・ドリフターズの高木ブーが率いる「1933ウクレレオールスターズ」で、野村義男がウクレレ奏者としてバンドの屋台骨を支える存在になっている。1980年代初頭の男性アイドル「たのきんトリオ」の〝よっちゃん〟がギタリストとして長年活躍していることは知られているが、ウクレレへの思いも強い。このほど、都内で開催された同バンドのライブでの「ウクレリスト」野村の今を伝える。

 野村は1979年、15歳の中学3年時にTBS系ドラマ「3年B組金八先生」で注目され、共演した田原俊彦、近藤真彦との「たのきんトリオ」で人気を博した。83年にバンド「The Good―Bye」を結成し、同年の日本レコード大賞で最優秀新人賞に輝く。当時からミュージシャン志向で、その後はギタリストとしての道を歩み、自身の活動のほか、浜崎あゆみのバックバンド、世良公則や宇都宮隆とのユニットなど多彩な活動の輪を広げた。

 現在は「MasahikoとYoshio Live Tour 2021-2022」と題し、盟友・近藤との初のライブハウスツアー中。12月は横浜、大阪で公演を行い、来年1月8日と9日には福岡で開催する。

 その間に行われたのが、 今月16日の「1933ウクレレオールスターズ」ライブだった。本格的なウクレレ活動は、2018年にサザンオールスターズ・関口和之の呼びかけで結成されたウクレレオールスターズに参加したことから始まり、同年、ハワイのイベントでウクレレデビュー。「1933~」は同年生まれの高木ブーを「象徴」として同バンドのメンバーで構成され、今年から歌手の荻野目洋子も参加した。今回のライブ中、野村の存在が際だったシーンを紹介しよう。

 荻野目が「YO-CO」名義で92年にカバーした名曲「コーヒールンバ」を歌った際、野村はそのメロディーに「007 ジェームズ・ボンドのテーマ」のフレーズをウクレレでかぶせた。関口が「なぜか、サスペンスに。よっちゃんが、これを入れたいと言うので」と打ち明けると、野村は「怪しいルンバです。ジェームズ・ボンドがコーヒーを飲みながら次の作戦を練っている曲ですよ、これは」と笑顔で返した。

 当の荻野目が「楽しかったです。初めてのアレンジで」と感想を語ると、野村は「ありなんですか、荻野目さん的には?」と質問。荻野目が「ありか、どうか…」と口ごもると、野村は「あれ?」とずっこけたが、荻野目は「結果、ありです!小道具が欲しくなりました。バキューン!と」。息の合ったコンビで会場を沸かせた。

 また、関口から「この曲は、よっちゃんに頑張っていただきたい」とエールを送られて、ベンチャーズの「ウォーク・ドント・ラン」をソロ演奏。あの「テケテケ」(クロマティックラン奏法)もウクレレで再現した。さらに、フィフス・ディメンションの大ヒット曲「輝く星座(アクエリアス)~レット・ザ・サンシャイン・イン」では、メドレー形式の前半「アクエリアス」部分をウクレレソロで聴かせた。ギターに比べると、かなり短いウクレレのネックだが、野村の指は縦横無尽に駆け巡った。

 関口は「ギタリストとして有名だが、ウクレレも大好きで、自分でウクレレを作っている」と、野村の知られざる一面を紹介。野村は「コロナで時間があったからですよ。それで、作っちゃいました。作ったウクレレは(高木ブーさんに)プレゼントしました」と明かした。演奏だけでなく、コロナ禍のプライベートな日常では楽器職人としてウクレレを製作していた。

 今年は、ウクレレのソロアルバム第3弾「Ukulele slow life2」をリリース。元レッド・ツェッペリンのロバート・プラントやジミー・ペイジらが結成したハニー・ドリッパーズの「シー・オブ・ラブ」やエリック・クラプトンの「ワンダフル・トゥナイト」、テンプテーションズの「マイ・ガール」などの洋楽をウクレレでカバーしつつ、最終曲は、24年ぶりのソロアルバムとして昨年リリースした「440 Hz with〈LIFE OF JOY〉」で高木が歌った「ヤシの木の下で」で締めくくる。

 近年、ウクレレ愛を貫く野村。「よっちゃん」の思いは、自身のCDに続き、高木らウクレレ界の先輩との共演ライブにも凝縮されていた。

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