29日に放送されるMBS系「住人十色」(土曜、後5・00)では、ひとりの女性が築124年の古民家をセルフリノベーションした、住居兼農家民宿を紹介する。
舞台は広島県三原市、住人は5年前に大阪から移住した女性。その家は明治時代に建てられた古民家をリノベーションしたもので、立派な母屋に納屋や蔵まである。ここでは1日1組限定の農家民宿も営んでいるという。住人は元大阪府警の警察官。この広大な敷地(1150坪)をわずか数百万円で購入することができた。
警察官として仕事は充実していたが、外に出て生きていく力をつけたいと退職。海外へ自分磨きの旅に出て、5年間で18カ国を訪れた。その途中、カナダで日本人が経営するゲストハウスに滞在。そこで出会った自然と調和した生活、特に自給自足の食材に感銘を受けた。帰国後、移住先を探していたところ、三原市の地域おこし協力隊に入隊。そのまま移住を果たすことになった。「移住して、宿を営みながら暮らしたい」という情熱が売り主に伝わり、古民家を破格の値段で購入。2023年、憧れの自給自足の暮らしを目指した家で念願だった宿もオープンした。
家の中に入ると、どこか懐かしさが残る明るく開放的な土間の玄関が。前住人によって床張りにリフォームされたものを、DIYで本来の姿にリノベーションしたという。間伐材や、ホームセンターで買える国産杉の無垢材「カフェ板」をフル活用。DIYは全くの初心者だったが、YouTubeを頼りに地元の友人の手助けも受けながら、約1年で古民家の大部分をセルフリノベーションした。
キッチンには自家製の食材がずらり。保存食や調味料まで手作りしている。545坪もの畑で自家栽培した野菜は自分で食べるほか、宿泊客と一緒に畑で収穫して夕食も一緒に調理する。また、ヤギやニワトリといった大切な家族たちも自給自足を支える。自家製の卵に手作りの醤油麹をかけた卵かけご飯が宿の新名物になっているとか。
生きることに必要な力を求め、たどり着いた究極の自給自足。住人は古民家の宿を通じて、訪れた人たちにも「いろんな気づきだったりとか、日常生活をどうしようかとか、何かが変われるきっかけになってくれれば」と願っている。
同番組は全国各地の「なぜこんなところに、こんな家を?」な家を訪れ、住人(アルジ)の生き方や思いをひもとく生活情報番組。MCは三船美佳と駿河太郎が務めている。