子連れ通学を認めてくれた恩師への感謝のメッセージSNS上で大きな注目を集めている。
「大学院2年で娘を妊娠した時、休学した方がいいかと聞いた私に
『休学しなくて大丈夫じゃない?』
冗談で赤子連れて来ていいかと聞いた私に
『いいんじゃない?連れておいでよ』
というわけで娘は1年間医局に在籍してました
そうやって私たち母娘を受け入れてくださった素敵な教授です
感謝💐」
と自身のエピソードを紹介したのは歯科医師のじゃすさん(@jus_DIY)。
じゃすさんが謝意を綴ったのは北海道医療大学歯学部で長年教鞭をとり、今年3月に定年で退任した越智守生教授。
男女の機会平等が叫ばれて久しいが、女性が大学院在学中に出産、育児などする場合、休学や退学を半ば強いられてしまうケースは今なお多いようだ。しかしじゃすさんが2008年に長女を出産した際、越智教授はむしろ子連れでの学業継続を勧め、産後約3か月で子供同伴の通学を認めてくれたという。じゃすさんに話を聞いた。
ーー子連れを認めてもらった際の感想は?
じゃす:正直、「え?ほんとにいいの?」でした。大学院を休学しなくても大丈夫と言われたことも半信半疑だったのですが、その後こちらも本当に冗談のつもりで子連れ復帰していいかを聞きました。
教授は「いいよ、連れておいでよ」と即答だったので、逆に「え?間に受けて大丈夫かな?」となりました。なので、その後も何度か本当に子供を連れてきていいのか確認しましたが、何度聞いても答えは同じ、「いいよ」。教授のこの言葉で、産後の不安がかなり軽くなり、本当に嬉しくありがたかったです。
ーー越智教授のお人柄は?
じゃす:一言でいうと、男気のある教授です。とてもフレンドリーな教授で、来るもの拒まずですが、受け入れたからには最後まで守る!という、姿勢を貫く優しくて強い先生です。
また、チャレンジ精神に溢れていて、このある種の「パイオニア精神」が北の大地の母校に貢献されたのだな、と感じています。
ーーご投稿に対し大きな反響がありました。
じゃす:まさかこんなに反響があると思いませんでした。懐の深い教授、素晴らしい環境と言ってくださる方がたくさんいて、教授の功績をたくさんの人に知っていただくことができて、大変嬉しく思っています。
反面、私の無計画な妊娠や教授のお顔を晒したことについてネガティブな意見もありましたが、ひどいアンチコメントは私が想定していたほどは私の目につかなかったです。
無計画な妊娠については、そのせいで周りの方々に迷惑をかけたことは紛れもない事実です。ですので、もうずっとサポートしてくださった皆様には頭があがりません。
--大多数の方にはじゃすさんの率直な思いが伝わったのではないでしょうか。
じゃす:教授のお顔と実名を隠さなかったことは、ポストする前に教授にも許可をいただいていますし、何よりも、教授の素晴らしさ、母校のあたたかさをフォロワーさん達に言いたかったので、あえて隠しませんでした。フォロワーさんはほとんどが歯科関係者で、同窓の先生方もいらっしゃるので、ぜひお伝えしたかったのです。
また、育児環境はこうあるべき、というお声もたくさんありました。けれども私は、みんながみんな教授や私のようにするべき、とは思っていません。周りに迷惑や負担をかけたことは事実です。教授の決断だけでなく、周囲のサポートなくして、あの環境は有り得ませんでした。それがわからないのであれば、迂闊に真似はされたくないのです。
「当たり前」ではなく、「有り難い」環境であったことを、これからも忘れてはならないと思っています。
◇ ◇
SNSユーザー達からさまざまな反応が寄せられた今回の投稿。じゃすさんの謝意や越智教授の“男気”が真に理解される時代の訪れを期待したい。
なお今回の話題を提供してくれたじゃすさんはこの反響があった機会に母校・北海道医療大学の魅力をPRしたいという。同学はじゃすさんにとって“全力で学生をサポートする温かい大学”だったという。2028年に北海道ボールパークFビレッジ(北海道北広島市)に移転することが決まり、さらなる発展が期待される。医療系の大学、専門学校への進学を検討される方はぜひ参考にされたい。
じゃすさん関連情報
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