2025年3月末で「ビエネッタ」(森永乳業)が発売終了とのニュースに衝撃が走った。
1983年に「ケーキみたいなアイスクリーム」「ウィーン風銘菓」との触れ込みで発売され、駄菓子屋のアタリ付きアイスで一喜一憂していた昭和の子ども達にとって"憧れのアイス"となったビエネッタ。切り分けられたものをバリバリスプーンですくうCMは特に印象的だった。
今回の発売終了が発表されるとスーパーからハーゲンダッツが姿を消し、メルカリでも高値で取引されるなど異常事態に発展している。森永乳業に話を聞いた。
ーー元々は海外の商品だったそうですが、日本用にアレンジはされていたんでしょうか?
担当者:日本のビエネッタは、乳脂肪分や乳固形分の比率が高いアイスクリーム規格にこだわって開発したため、層状の形を維持するのに非常に苦労したそうです。
ーー販売当時の反響について、
担当者:「目で食べること」を実現したビエネッタは、ドレープの織り成す美しさはもちろんのこと、切り口までも美しく、心奪われる人が続出したそうです。
ーー販売開始してすぐにヒットしましたか?
担当者:当時の資料によると、発売1年で、当初計画の約2倍に達する勢いだったそうです。当時の新聞記事によると、関西でテレビCMを流したところ関西で人気が急上昇し、急速に全国に広まったようです。
ーー思ったように売り上げが伸びないなど、苦難の時期はありましたか?
担当者:日本での核家族化や少人数構成世帯の増加が進むにつれ、一人では食べきれないというお声が聞こえるようになったことから、2011年には一人でも楽しめるカップタイプをご提供するなど、お客様に寄り添った商品開発を行いました。手軽にビエネッタが食べられるようになったと好評でした。
ーー終了を悲しむ人が多い現状を、どう感じられますか?
担当者:濃厚アイスとパリパリチョコが幾重にも重なった、類似品のない唯一無二のケーキアイスとして、発売開始から40年以上の長きにわたりご愛顧いただき、まことにありがとうございました。
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SNSでは、「ビエネッタを1本食べるのが子どもの頃からの夢だった」「親に買ってもらえなくて、大人になって働いて買った」「今のうちに食べておかねば」などの反響とともに、「月に一度、ファミレスで食事してビエネッタを買って、家でカトちゃんケンちゃんごきげんテレビをみるのが楽しみだった」という夢のような一夜を過ごしていた人のエピソードも見付かった。発売終了まであとわずかだが、是非正規の値段で手に入れ、味わって欲しい。
森永乳業 ビエネッタ販売終了のお知らせ
https://www.morinagamilk.co.jp/release/newsentry-4500.html