「フレンチ・コネクション」(1972年)、「許されざる者」(92年)などで知られたアカデミー賞受賞俳優ジーン・ハックマンさんと妻ベッツィー・アラカワさんが2月26日、ニューメキシコ州サンタフェ近郊の自宅の別々の部屋で死亡しているのが発見された。ハックマンさんは95歳、アラカワさんは65歳だった。2人の死を捜査していた地元当局が同27日、死を巡る状況が「普通ではない」ことを認めた。同州のアダン・メンドーサ保安官は、犯罪の疑いはないとしたものの、夫妻と3匹の犬のうちの1匹の死には「気になる」要素があると指摘している。
同27日午後の記者会見で同保安官は「住居で2人が死亡しているのを発見するのは普通ではありません。それが気になる点です。また犬小屋にいた犬も死亡していました」と語った。クラシック・ピアニストだったアラカワさんの遺体には腐敗した形跡があると報道されている。保安官は「死後かなり時間が経っていたようですが、それがどれくらいの時間であったかは推測したくありません」と説明。「犯罪行為の兆候はすぐにはありませんでしたが、まだ断定はしていません。これは捜査であり、我々はすべての可能性を探っています」と慎重に捜査を進めているとした。
これまでに、アラカワさんの遺体はバスルームのカウンター付近で発見され、横たわり、頭の近くにはスペースヒーターがあったことなどが分かっている。ハックマンさんの遺体はキッチン横の部屋で、服を着てサングラスが近くにある姿で発見された。当局はハックマンさんが倒れたものと推測している。一酸化炭素中毒やガス漏れの兆候はなかった。
ハックマンさんと元妻フェイ・マルティーズさんとの娘エリザベスさん、レスリーさんは、声明の中でこう伝えている。「私たちの父、ジーン・ハックマンと妻のベッツィーが亡くなったことを、大きな悲しみとともにお知らせします。彼は、その輝かしい俳優としてのキャリアにより、世界中の何百万人もの人々から愛され、賞賛されていましたが、私たちにとってはいつもただのパパであり、おじいちゃんでした。私たちは彼がいなくなることを寂しく思い、悲しみに打ちひしがれています」