新商品「訳ありムーンライト」が話題 割れ・欠け品をちょっとお得にしてフードロス解消

しげる しげる

森永製菓が6月28日に販売を開始した、「訳ありムーンライト」。製造時に割れるなどして販売できなかったクッキーを、訳あり品として詰め合わせた商品だ。現在はアスクルが運営する個人向け通販サイト「LOHACO」にて先行販売されている。

フードロス削減を目的としたこの「訳ありムーンライト」はSNSでも話題となっており、「全然これでいい!」「美味しさは変わらないから買いたい」「むしろこればっかり欲しいやつ」などの意見がツイッター上に投稿されている。

この「訳ありムーンライト」はどのような狙いを持った取り組みなのか、森永製菓へ取材した。

──訳ありムーンライトの販売の理由、また販売までの経緯を具体的に教えてください。

森永製菓:「ムーンライト」を訳あり品として発売し、食品ロス(※1)削減を推進してまいります。森永製菓グループは、パーパス「世代を超えて愛されるすこやかな食を創造し続け、世界の人々の笑顔を未来につなぎます」の実現に向けた企業活動を通じて、持続可能な社会への貢献と当社グループの持続的成長を目指しています。マテリアリティ(重要課題)の一つである「持続可能なバリューチェーンの実現」に向けて、フードロス(※2)の削減に取り組んでおり、2030年目標として、「原料受け入れから納品(流通)までに発生するフードロスを70%削減(※3)」を掲げております。今後もこのような取り組みを通して、食資源の循環・有効利用を推進してまいります。

※1本来食べられるにも関わらず捨てられてしまう食べ物のこと

(環境省 食品ロスポータルサイト:https://www.env.go.jp/recycle/foodloss/index.html

※2発生した食品廃棄物のうち、飼料化・肥料化等、食資源循環に戻すものを除き、焼却・埋め立て等により処理・処分されたもの

※3国内グループ連結、原単位、2019年度比

──これまでは、割れ品はどう処理していましたか?

森永製菓:飼料への食品リサイクル化など再利用に努めています。

──なぜLOHACOでの販売を選んだのでしょうか?

森永製菓:アスクル株式会社が取り組む「Go Ethical プロジェクト」に参画し、ポテロングの発売を先行して取り組んでいたためです。ロスの状況によって発生数量が安定しない商品のため、まずはLOHACO様での販売を行っています。

──一般店舗での販売は予定していますか?

森永製菓:ロスの状況に応じて、検討して参ります。

──ネット上での反響に関してどのようなご感想をお持ちですか?

森永製菓:当社取組を、話題に取り上げていただき、大変うれしく思います。食品ロスの削減など、持続可能な社会への貢献につながる取組を、引き続き実現して参ります。

──訳あり品の格安販売の拡大は考えていますか?

森永製菓:今回発売する「訳ありムーンライト」は通常のムーンライトと比較して価格は安くなっていますが、前提として「格安販売」という趣旨で販売している商品ではありません。通常7袋入っている製品に対し、訳ありムーンライトは21袋を目安(筆者注:当商品はグラム管理をしているため、袋数はあくまで目安)に入れており、それに対して価格設定は「1枚あたりに換算するとややお得」になっております。このような食品ロス削減に関連した新たな商品の発売は現時点では未定ですが、ロスの状況に応じて検討して参ります。

◇ ◇

割れていても味は変わらない「訳ありムーンライト」。あくまでロスの状況に応じて発売されるもののため、通常商品の出荷とは異なる事情も伺える。が、社会的にも意義があり、継続した展開を期待したい取り組みだ。

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