プチトマトはもう売られてないってホント!? すでに販売終了していた意外な理由 未来を見据えた品種開発事情

米田ゆきほ 米田ゆきほ

プチトマトがすでに販売されていない事を皆さんご存知だろうか。

信じられない気持ちで調べると、18年も前に販売を終了したそう。お弁当に一個入っているだけで嬉しかったプチトマトの思い出が蘇るが、確かに最近よく見聞きするのはミニトマトで、スーパーの売り場には大小だけでなく様々な品種のトマトが並ぶ。何故プチトマトは売られなくなったのか。ミニトマトとの違いは。野菜や花の品種開発、農園芸関係の資材を販売する、タキイ種苗(京都市下京区)の広報担当に話を聞いた。

ーープチトマトとミニトマトの関係について教えていただけますか?

担当:約50年ほど前の話になるので詳細は不明で、推測になってしまうのですが…。1975年にミニトマト「プチ」という品種を弊社が発売いたしました。誤解されがちなのですが「プチトマト」は商品名。当時のパッケージにもプチトマトの記載とともに「一口トマト」と書かれています。プチが世に出た頃はトマトといえば大玉トマトが主流。小さいサイズの需要は家庭菜園だったので、一般消費者に商品名であるプチトマトが浸透したのでは、と考えています。

ーーなぜプチは無くなったのでしょうか。

担当:プチのようなサイズのトマトの需要が徐々に市場出荷がメインになり、1980年代にはミニトマトが市場や量販店で販売されるようになりました。種苗会社はミニトマトの品種開発を行い、次々とミニトマトの新品種が発売、プチはその役目を終え、2007(平成19)年に販売終了となりました。

ーー現在はどんなミニトマトが求められていますか?

担当:社会情勢や地球環境の変化に伴い、品種に求められるものは変化し続けます。品種開発は”10年仕事”と言われ、どのような社会情勢になり、環境の変化があるのか10年先の未来を見据えながら進められます。タキイ種苗をはじめ、種苗会社は生産者である農家の方々はもちろん、一般消費者の方々からの要望を踏まえて、新たな品種の開発をしています。また、おすすめ品種「千恋(ちこ)」は、ヘタをつけずに収穫することで鮮度を保ちやすく、フレッシュな状態を長く保つことができるので、物流の「2024年問題」の影響で輸送にも適応可能な品種だと考えています。

◇ ◇

時短や簡便性が求められる現代の食卓のニーズに合うからか、ミニトマトは近年更に人気が高まりここ20年で出荷量が約2倍まで拡大。皆さまの食卓を彩る野菜たちに目を向けてみてはいかがだろうか。

タキイ種苗ホームページ
https://www.takii.co.jp/

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https://phytorich.jp/

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