「今北産業」ってどこの会社?2000年代2chスラングの世界

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インターネットの普及と進化は、世の中に独特の文化を生み出した。特筆すべきは、2000年前後に爆発的な人気を博した「2ちゃんねる」(現5ちゃんねる)における独自の言語体系だろう。なかでも当時を知る40代、50代の読者であれば懐かしいと感じる2ch用語を5つ紹介する。今の子には理解できないであろう2000年代2chスラングの世界を振り返る。

まずは、今の子が見れば「どこの企業?」と勘違いする「今北産業」だ。この言葉は「今来たから3行で説明しろ」の略で使用された。主に長文のスレッドに途中参加した際に使用され、議論の要約を求める際に用いられた。過去の文章を読み返さずに流れにいち早く乗りたいという即時性と簡潔さを重視する2chユーザーの特性を表した言葉だといえるだろう。

また、過去のものを過度に懐かしみ、現在の状況を批判する人々を指す「懐古厨」も忘れられないネットスラングだ。「厨」は「中毒者」を意味しており、否定的なニュアンスを含んだ言葉となっている。急速に変化するネット文化において、変化を受け入れられない人々への批判としても使用された。

続いてのネットスラングは、今でも見かけることが少なくない「禿同」だ。「激しく同意」を意味するスラングで、「はげどう」と読み「同意」を強調する際に用いられた。激しく同意の「はげ」の部分を「禿」と表現する点に、2chユーザー独特のユーモアセンスが感じられる。

「禿同」と同様に、今ではあまり見かけない言葉として「香具師」もある。思わず「かぐし」と読みがちな「香具師」は「あいつ」や「あの人」を意味する言葉で、正しくは「やし」と読む。「香具師」の言葉の由来は諸説あり明確ではないものの、2chの独特の言語文化を象徴する言葉の1つだ。

その他、「厨二」という言葉も有名だろう。「厨二」は「中学2年生」の略であり、「厨二病」は思春期特有の行動や思考を指す言葉だ。現実離れした妄想や、自分を特別視する傾向などを揶揄する際に使用された。2chでよく用いられたこの言葉は、現在では一般的にも使用されるようになっている。

2chの開設から25年が経過した現在、当時のネットスラングの多くは使用頻度が減少している。ただ「厨二病」のように一般化した言葉もあり、ネット文化が実社会に与えた影響は無視できない。2000年代初頭のネットスラングは、テキストベースのコミュニケーションが主流だった時代を反映しており、独特の創造性と言語遊戯性を持っていたといえるだろう。

これらの言葉を振り返ることは、単なる懐古趣味ではない。急速に変化するインターネット文化の中で、コミュニケーションの形態がどのように進化してきたかを考察する良い機会となる。また、当時のネット文化が現代社会にどのような影響を与えたかを理解する上でも重要といえるのではないだろうか。

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