スターダム新社長「二兎でなく〝三兎〟追う選手が出てしまう時期あった」運営、日程見直しへ、ビッグマッチ減少も

山本 鋼平 山本 鋼平
リング上であいさつするスターダムを運営するブシロードファイト新社長に就任する岡田太郎氏=23年11・28後楽園大会 ⓒSTARDOM
リング上であいさつするスターダムを運営するブシロードファイト新社長に就任する岡田太郎氏=23年11・28後楽園大会 ⓒSTARDOM

 スターダムの東京・後楽園ホール大会が28日に行われ、12月1日付けで同団体を運営するブシロードファイト新社長に就任する岡田太郎氏(36)が、発表後初来場。大会終了後、率直な感想とともに「運営体制」「試合スケジュール」の見直しへの意欲を口にした。

 第1試合前にリング上からあいさつを行い、ファンからの温かい拍手で背中を押された岡田氏。その後はメーン終了まで、会場の各所からリングでの戦い、ファンの反応に視線を向けた。

 同団体は今夏以降に選手の負傷欠場が相次ぎ、5日の牛久大会では試合開始時刻が前日に午後1時から2時間半遅れることが急きょ発表されるなど、ファンの批判が続出する事態が発生。20日に原田克彦社長の退任、岡田氏の登用が発表されていた。

 岡田氏は「リング上のスターダムはやっぱり最高ですし、お客様も最高です。何ら心配することなく、最高のプロレス、最高のスターダムを提供できていると思います。会社としては、本当にもう一度しっかりやることだけだと思います」と、率直な感想を口にした。

 運営体制については「選手、スタッフ、お客さんと大きく分けて3つあるとすると、その間の意見の行き来が正常に行われていたのかが一番気になりました。お客さんの要望にスタッフがどう応えるか。選手の要望にスタッフがどう応えるか。お客さんに見せたいものがどうお客さんに伝わるか。3者のバランスがあまりうまくいっていない時期が最近だったというふうに見ています」と分析。「全員がスムーズに情報を交換し、意思を共有し、いい大会を一緒にみんなで作っていくことを考えています」と語った。

 人員の見直しに関しては「あり得ます。会社のルール、社会のルールに則って、しっかりと調査、そして必要な判断を下します。選手、僕らが納得するところを見いだしていく」と明言。その上で「社員および関係スタッフそれぞれのプロレス愛、仕事の能力を個別に切り取ってみると、もちろんミスはあると思うけれど、そんなに問題視していない。ただ、誰かに負担がかかるとか、そういうことが多かった。そこを整理するだけで、それぞれの力は絶対発揮できると思っている」と信頼も口にした。

 月間複数のビッグマッチを開催する方針は、今夏では5★STAR GP途中でのタイトル戦続出などにつながり、選手とファンのモチベーション、コンディションの維持を難しくしたという意見は根強い。

 岡田氏は「ビッグマッチは絞られてくるだろうと思う。何千人規模の会場で月3回行われていたものが月1回になるなど、巡業スケジュールの精査も行います。負担が少ないスケジュール、選手の話をしっかり聞くマネジメント機能を作りたい。選手会も選手会長一人に負担をかけない形にして意見を聞きたい」と言及。スケジュールについては「どういうモチベーションでやるかを整理したい。二兎追うのではなくて〝三兎〟追う選手がたまに出てしまう時期もあった」と踏み込んだ。同じグループである新日本プロレス等を参考に、年明けから適宜反映させていくつもりだ。

 岡田氏は1987年生まれ、神奈川県出身。同志社大在学時は学生プロレスに取り組み、2013年1月にブシロードグループに入社。アニメラジオのプロデューサー、ディレクターを皮切りに「探偵オペラ ミルキィホームズ」を運営し、主にアニメライブに取り組んだ。2014年5月24日に横浜アリーナで開催された「ミルキィホームズ&ブシロード7周年記念ライブ」を担当し、その翌日の新日本プロレス横浜アリーナ大会にも関与した。ミルキィホームズのプロデューサー、タレント事務所マネジャーを行い2019年の武道館ファイナルライブまで伴走。翌年から舞台コンテンツ、ライブ、アプリゲームに取り組んだ。2022年に児童向けステージを展開する劇団飛行船の取締役となり、今年5月に同社長に就任していた。12月1日付でスターダム運営のトップに立つ。

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