五色そうめんを守るゴシキメン?謎設定のローカルヒーロー 調べると愛媛県の魅力な郷土食に出会った

野中 比喩 野中 比喩

先日、謎のヒーローがカラフルなそうめんをPRする投稿がSNS上で話題になった。

「きれいな色してるだろ。ウソみたいだろ。天然素材、自然色素で色付けしてるんだぜ。それで…。アレルギーに対応するため原材料の卵を蜜柑に、そば粉をもち麦に変えたのに…誰も知らないんだぜ。な。ウソみたいだろ。」

1980年代の有名野球漫画の名セリフをパロディにしたこの秀逸な投稿は愛媛県東温市の五色そうめん株式会社によるもの。

謎のヒーローの名は「ゴシキメン」。2021年3月3日に同社が製造、販売する五色そうめんを守るために誕生したそうだが、そもそも五色そうめん自体を知らなかった筆者にとっては、投稿を読んでも謎は深まるばかり。

ゴシキメンについて、五色そうめん株式会社広報担当の野村さんにお話を聞いた。

野村:「素麺戦隊ゴシキメン」は当初、二次元ヒーローとして制作しました。使命は五色そうめんを守ること。決めゼリフは「そうめんは流しても俺は誰にも流されない」。必殺技は「スプラッシュ麺」、悪役に5色の糸を投げつけて捉えることができます。ゴシキマンブラウン(もち麦)、ゴシキマンイエロー(みかん)、ゴシキマンレッド(梅)、ゴシキマングリーン(抹茶)、ゴシキマンホワイト(白)の5人で、アニメCMなどで活躍しています。

その5人が力を合わせたときに三次元ヒーローの合体「ゴシキメン」が登場します。スーパーなどで行うヒーローショーでは、素麺を食べると元気になる姿を見ていただけます。

野中比喩(以下、野中):なるほど!私は完璧に三次元から入ったので、フィギュアでは6体あるのに三次元では1体だけなのはどうして?と感じていました。

なぜ戦隊ヒーローを採用されたのでしょうか?

野村:五色そうめんを将来の消費者である子どもや子育て世代に親しみを持って知ってもらいたいと思いました。

野中:グッズもたくさん出ていていますね。

野村:現在、ゴシキメングッズとしては、フィギュア、Tシャツ、缶バッジの他、アニメのゴシキマンを使ったリフレクターバンドがあります。フィギュアは当初、ノーマルタイプ(ブラック)だけでしたが、好評で完売したため、5色のバージョンを追加発売しました。

野中:SNS上では以前、昭和風の懐かしいイラストも話題になったそうですね。

野村:「ゴシキメン〜昭和の風景〜」ですね。日本新聞協会の新聞広告賞をいただいた2021年のシリーズ広告で、地元愛媛の伝統食を守る架空のヒーローの物語を懐かしく感じさせる昭和の風景の中に描き、子どもにも新聞購読世代にもアピールできたと思います。

2022年は五色そうめんが生まれた江戸時代をテーマにした新聞広告を掲載しました。なお、イラストは「こちら亀有公園前派出所」の背景を描かれていた実崎孝永さんにお願いしています。

その他、テレビCMなどでも、面白さを前面に出した広告展開をしています。

野中:ゴシキメンについて知るうちに、五色そうめん自体のこともとても気になってきました。

野村:弊社は寛永12年(1635年)に創業し、今年で388年を迎えました。享保7年(1722年)に全国に先駆けて開発した色麺を300年以上製造しています。老舗のイメージにこだわらず新しい試みの商品や広告に挑戦しているので、ぜひ多くの人に知っていただきたいですね。

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五色そうめんは近松門左衛門や正岡子規など歴史上の人物にも愛された愛媛県の郷土料理。近年はアレルギー対策など、時代に合わせた商品改良にも積極的に取り組んでいる。伝統を重んじながら新しい文化と知恵で次世代に繋いでいく五色そうめんを、ぜひ多くの人に味わってもらいたいと思う。

五色そうめん公式ウェブサイト:https://goshiki-soumen.co.jp/
五色そうめんショッピングサイト:https://goshiki-soumen.shop/
Twitter(X):https://twitter.com/goshikisomen
Instagramアカウント:https://www.instagram.com/goshikisomen/
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