〝殿堂入り〟のご当地アイドルが王林の背中から学んだこと 引き継がれる震災復興祈念の思い

福島 大輔 福島 大輔
王林とともに炊き出しを行うKOBerrieS♪
王林とともに炊き出しを行うKOBerrieS♪

 6400人を超える犠牲者を出した阪神・淡路大震災の発生から、今年で28年を迎えた。震災発生日である1月17日には、最も被害が大きかった地域の1つである神戸市長田区の大正筋商店街で、震災復興祈念イベント「ONE HEART」が行われ、タレント・王林や神戸のご当地アイドル・KOBerrieS♪らが出演した。

 王林は青森出身で、小学校6年時の2011年には東日本大震災を経験した。KOBerrieS♪のメンバーは全員が神戸出身ながら、年齢的に阪神・淡路大震災を経験してはいないが、結成当初から震災の記憶を語り継ぐことを〝使命〟とし、メンバーは入れ替わっても復興祈念活動を続けてきた。

 昨年3月まで青森のアイドル「りんご娘」のメンバーとして活動してきた王林は、ご当地アイドルの頂点とも言うべき存在。昨年7月に結成10周年を迎え、日本ご当地アイドル活性協会から〝殿堂入り〟を認定されたKOBerrieS♪のメンバーにとっても憧れの的だった。イベント当日はステージや控え室などで同席し、少しでもその背中から〝教え〟を学び取ろうと積極的に動いた。

 KOBerrieS♪のキャプテン・森島みなみは「『今日という日に神戸にいられることがすごく貴重でありがたい』という王林さんの言葉が、とても胸に響きました。青森が大好きな気持ちはもちろん、地元以外の地域でも、その街の方々と真剣に向き合って炊き出しをされていた姿に胸が熱くなりました」と感激しきり。「私たちも神戸の魅力をより広められるように頑張りたい。そして王林さんを通じて、炊き出し用のカレーのりんご(王林)を提供して下さった青森の方々にもいつか感謝の気持ちを届けに行きたいです」と話した。

 会場となった大正筋商店街は、震災で店舗の9割が全焼。2004年に一応の〝復活〟を果たしたが、現在もかつてのにぎわいにはほど遠く、新型コロナウイルス感染拡大の影響で閉店する店も相次いでいる。それでも当日は「王林効果」もあり、約1000人の観客で活気に満ちた。

 当日のイベントでは司会も務め、商店街で一日店長も行った森島は「地元の方々とお話しする中で『28年も経っていることが信じられない』と、鮮明な記憶が残っている方が多く、毎年、続けていかなければならないと感じました」と思いを新たにしていた。

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