この下に光明皇后伝説の「光明石」がある!グレーチングの下に隠された歴史的伝承地が話題に

中将 タカノリ 中将 タカノリ

グレーチング(金属で作られた格子状のふた)の下に隠された歴史的伝承地がSNS上で大きな注目を集めている。

「今回旅の最後の探訪地。光明石。鹿から生まれた少女がこの石の上に立っていると辺りが光輝き、それを見た藤原不比等が連れ帰り養女とした。光明皇后伝説の重要伝承地。
まさかこの下にあるとは……。」

とその模様を紹介したのは日本の歴史的伝承について紹介するサイト「日本伝承大鑑」の主宰者(@japanmystery)。

光明石があるのは大阪府和泉市室堂町の農道のど真ん中。周辺はアスファルト舗装されているのだが、石のある部分だけグレーチングがかぶせられ、昔のままに保存されているようだ。

保存されているのはいいのだが、非常にその存在がわかりにくくなってしまった伝承地…。光明皇后と言えば藤原不比等の娘で、聖武天皇の皇后になった人物。奈良時代から歴史ある伝承地がはたしてこのような状態でいいのだろうか。主宰者の投稿に対し、SNSユーザー達からは

「案内板がないと通り過ぎてしまいますね」
「のざらしよりは、まあ、保存状況いい、かな?
日本最古の部類の、自然石なわけですから……」
「わかるかー!
しかし、大好きな光明皇后にそんな伝承があるなんて。面白いなぁ。」

など数々の驚きの声が寄せられている。

主宰者にお話を聞いた。

ーーこの光景をご覧になったご感想をお聞かせください。

主宰者:日本各地の伝承地へ行って現物を見るのが趣味で、今回も光明皇后の伝承地をいくつか回りました。ただ光明石については唯一確認できたのが「和泉そぞろ」というPDFマップでした。そこに光明石の紹介と簡単な略地図、そして「グレーチングの下にあります」という一文があったので、後はグーグルマップを頼りに探し当てた次第です。

今までかなりの「伝承の石」を見てきましたが、グレーチングの下にある石など聞いたこともないので、実物を見るまで私自身も「ほんまかいな?」でした。現場へ行って真横から見たらダイレクトに見えたので、驚くと共にすごく丁重に保存されていると感じました。

こうなった経緯は分かりませんが、おそらく昔から細い生活道路があって、それを車1台通れるよう舗装しようとしたらこの光明石がかすってしまった。しかし「どかすと何らかの障りがある」ため、やむなく地下に埋めることもせず、苦肉の策としてこの形になったのではと推測しています。最初はキワモノ的興味もありましたが、実際現地で見ると伝承の物件に対してすごく理解ある対応、処置だと感心しています。

ーーこれまでの反響についてお聞かせください。

主宰者:私が行く前に感じていたのと同じ「すごく変なもの」みたいな感想が大半だった感じです。見た目のインパクトが強烈なので。

◇ ◇

珍妙な状況におかれている光明石だが、たしかにこうやって保存されているのは地元の人々の配慮あってこそ。外部から文句を言うのはナンセンスかもしれない。光明石が今後も長きにわたって保存されるよう願いたい。

なお今回の話題を提供してくれた主宰者は「日本伝承大鑑」のほかにも実話怪談と心霊学を探究するサイト「幽冥真怪録」を運営している。どちらのサイトも歴史ロマンにあふれた優れた内容なので、ご興味ある方はぜひチェックしてただきたい。

関連情報

Twitterアカウント:https://twitter.com/japanmystery
運営サイト「日本伝承大鑑」:https://japanmystery.com/
運営サイト「幽冥真怪録」:https://meitei.sakura.ne.jp/blog/

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