抹茶のシミが衣服に付いた際のNG事項がSNS上で大きな注目を集めている。
「新年から初釜など抹茶のシミを着物に付けてしまう事が増えると思います。
抹茶のシミが付いてしまったらやる事はただ一つ!
『抹茶が完全に乾くまで触らず、布で押さえる事もせずじっと我慢する事』です。
抹茶のシミは乾けば生地の上で粉に戻りますから、指で揉めば殆ど取れてしまいます。
拡散希望。」
「抹茶のシミは水で叩いたり、濡れ布巾で抑えたりしたら完全にアウト。
イメージして下さい。抹茶の粉が糸の繊維の中には入り込んで絡まっていく様子を。染まるのではなく濡れて膨張した繊維の間に入り込んで出にくくなってしまうんです。」
と紹介したのはしみ抜き専門店・三島染色補正店の三島正義さん(@kokounosyokunin)。
「薄茶のときはまだしも、濃茶のときはついビビるんです。」
「以前、西大寺のおお茶盛りの時、横の席の方が、盛大にお茶を、ざぶりと、かぶってしまわれて、多分帯のあたりまで。流石にあれだけ被ってしまったら、どうしようも無いのではと、気の毒に思いました!」
「コートの裾にべったりつけてしまった泥汚れ。
三島さんの抹茶のツイートを見ていたので、泥も同じに違いないだろうと出先でしたが乾くまで我慢して。
完全に乾いたところを屋外で揉んだら、目立たないところまでかなり綺麗になりました✨
擦らなくてよかったー!
三島さん、ありがとうございます!」
など数々の感謝の声が寄せられている。
三島さんにお話を聞いた。
ーーこの対処法はしみ抜きやクリーニング業界の間ではよく知られていることなのでしょうか?
三島:抹茶のシミの落とし方はクリーニング業界ではあまり知られてない事です。クリーニング業界はいわゆる機械仕事ですから簡単なシミすら落ちてこないが現状です。
ーー醤油でシミが付いてしまうこともよくありますが、応急処置としておすすめの対処法はあるでしょうか?
三島:良く醤油のシミという方がいますが、単に醤油の様な色をしているから醤油だ、となってしまってる場合が殆どです。実際醤油を布に付けてみると分かりますが、実にその色は薄いんです。ですので本来は触らずプロにお願いするのが安心です。
応急処置としては、直ぐにかたく絞った濡れ布巾でシミを抑え、決して擦らないことです。これによりシミがいくらか布に吸い取れる可能性があります。ただこれは2回まででしょうね。それ以上は逆に生地を傷ませる可能性があります。
ーーこれまでの反響についてご感想をお聞かせください。
三島:沢山の反響を頂きましたが、その中で実戦される方が増えれば、抹茶シミを取れにくくしてしまうこれまでの慣習が正せると思います。中には攻撃的な非理論的な返信もございます。
実践動画にてきちんと理論的に説明はしておきました。
乾いた抹茶をベンジンとパキンで落とす動画① pic.twitter.com/a81DOryJ6w
— 三島染色補正店 四代目/三島正義 (@kokounosyokunin) January 6, 2023
◇ ◇
三島さんによると、近年はしみ抜き業者も機械や薬品に頼った仕事をするところが多くなり、工賃も極めて高額になる傾向にあるという。三島さんはそういった状況の改善のためYouTubeチャンネル「みしまチャンネル」や無料で衿洗いの解説動画など着物ファン必見の動画を多数公開しているので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
三島正義さん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/kokounosyokunin
YouTubeチャンネル「みしまチャンネル」:https://www.youtube.com/@minori2000/videos