3月29日に生放送されたTBS系「オールスター感謝祭2025春」で、チャレンジ企画の挑戦者として登場したタレント・江頭2:50が、女優・永野芽郁に激しいネタで襲い掛かり、物議をかもした。江頭と交流のある芸人・なべやかんが、今件への見解と共に破天荒芸人の知られざる素顔をつづった。
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TBS「オールスター感謝祭」で江頭2:50さんが大暴れし、永野芽郁さんが泣いてしまい、賛否が分かれている。個人的意見を言わせてもらえば、江頭さんを使うという事はああなるのは想定内だ。しかも過去を知っている人間からしたらヌルイくらいだが、永野芽郁さんにしたらたまったものではない。
90年代だったら「バラエティーにはバラエティーのルールがある。それがわからないなら出演するな」と言われたのだが、永野芽郁さんは俳優であり、感謝祭出演もドラマ番宣のためだったはず。だから、「俳優業がない時はバラエティーに出ます!」というスタンスではないので、受け身が取れなくて当然。江頭さんとしては、TBS的にメイン演者が永野芽郁さんだったのでそこに行かなければという暗黙があったはずだ。
なので、江頭さんが悪いとか永野芽郁さんが悪いとかそういった事はなく、歯車が嚙み合わなかっただけだと思う。あの番組に出演できなかった自分が言うのはなんだが、止めに入る芸人たちがもっといれば良かったのかな。(テレビ)全盛期だったら、江頭さんを止める暗黙の動きが芸人たちもできたはず。そうすれば結果も違った気がする。
江頭さんに最初に会ったのは浅草キッドさんと構成作家のベン村さ来さんが作った『お笑いセメントマッチ』というライブで、江頭さんの芸名も江頭秀晴時代だった。
打ち上げで全員が飲みまくっていると、江頭さんが全裸になり、宴会場中央でお尻を両手で開き、肛門を皆に見せて「あ~、あ~」と叫びだした。その後、若手芸人のズボンとパンツを脱がし、玉に嚙みついた。若手は痛みで「ぎゃ~」と泣きわめく。皆で頭を叩いても蹴っ飛ばしても江頭さんは離さない。ベンさんがライターで江頭さんの「Oライン」(※肛門周り)の毛を焼くと江頭さんが熱さで叫び、若手は解放された。
江頭さんとの出会いはそれがスタートで、その後もバラエティー番組でご一緒になったりした。本番前の江頭さんは他のタレントと違い、集中力がすごい。まるでリングに上がる前の格闘家だ。全集中し、ブツブツ言ってトランス状態になり誰も声を掛けられない。出番になると溜まったエネルギーを全て放出し宇宙誕生のビックバンのようだった。
スポーツジムが一緒だった頃があった。江頭さんは毎回独自のヨガ的トレーニングをしていたので一緒に筋トレをする事はなかったが、会う頻度は高かった。ある時ジムに行き更衣室に入ると壁際で江頭さんが全裸で逆立ちしていた。「何をしてるのですか?」と尋ねると、「やり忘れたトレーニングがあった」と謎の発言と行動をしていた。
感謝祭において、江頭さんに対して「否」の意見もあるが、江頭さんが「浅ヤン」(※テレビ東京系「浅草橋ヤング洋品店」)時代に呼ばれていたキャッチフレーズなんて現代では放送禁止だからね。コンプラに厳しい現代ではありえないよ。枠に収まらない人間を楽しむのがテレビであり、芸能界だったのに、現代ではそれを叩き、排除する傾向だ。
今回の事も「江頭さん面白かった。芽郁ちゃん応援します、ドラマ見ます」で良いと思う。江頭さんには食事に連れて行ってもらったり、自分と三平×2(大川興業時代の直属後輩)主催のトークライブゲスト出演してくれたりお世話になった。後輩思い芸人魂の素晴らしい人。なので珍しい生き物を見ている感覚で寛大になって楽しんでいただけたらなーと思う。