古墳時代に作られた白鳥の埴輪が美しすぎるとSNS上で大きな注目を集めている。
「僕が古墳時代を生きていたら間違いなくポチってる。」と件の埴輪を紹介したのはちゃーはんさん(@oicchahan)。
この埴輪は埼玉県立さきたま史跡の博物館(埼玉県行田市)で展示中のもの。埴輪と言えば通常はヘタウマ感にあふれたものだが、こちらも多少のデフォルメは加えられているが、白鳥らしい優雅なシルエットと言い愛らしい表情と言い、完璧な造形。現代にも通用する芸術性を感じさせる。
SNSユーザー達から
「絶対に隣の部族とかに見せびらかす自信ある」
「さいたま発祥の地。近く通りかかったから資料館に寄ったらこれがいた。国宝の剣だか何だかより埴輪に釘付けになる空間だった。」
「日本のデフォルメ、Kawaii文化の礎ってここにある気がする
姿かたちをそのまま真似て書いたり模型にすると魂を抜かれるというアミニズムの思想からこういうデフォルメが発達したのよね。浮世絵のイッヌとかカメラに魂抜かれる心配をする日本人とかも全部繋がってるんじゃないかな」など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。ちゃーはんさんに話を聞いた。
ーー今回、さきたま遺跡の博物館を訪れた経緯は?
ちゃーはん:埼玉に住んでいるのでさきたま古墳にはよくお邪魔させてもらっています。小学生が作った工作や粘度細工の一生懸命作ったというよくわからないパワー感が大好きなのですが、この日も久しぶりに埴輪を見てそのパワーをもらおうと思って足を運びました。
ーーこの鳥のはにわをご覧になったご感想を。
ちゃーはん:他の埴輪の造形の曖昧さに比べてこの水鳥の埴輪は群を抜いて造形が美しくて、ほかの埴輪が学校の生徒が作ったもだとしたのなら、これは先生がお手本で作ったようなそんな雰囲気が漂っていました。
私は普段から3Dモデルを作って公開しているのですが、実際この水鳥埴輪のモデリングを行ってみると頭から首胴体に向けてのラインがとても美しくできているなと感動しました。また足の間にうっすら水かきがあるのもすごく可愛いなと。
ーーご投稿に対し大きな反響がありました。
ちゃーはん:きっと古墳時代のカワイイと現代のカワイイの価値観に違いが無いのだなと多くの人が感じてくれた結果支持されたのかなと思っています。さきたま古墳公園の博物館でも公式の3Dスキャンデータは配布されているのですが、3Dプリントするにはデータが扱いづらかったため私のほうで一から製作したものを「Haniwa Waterfowl Figurine」という名前で一般公開いたしました。
そのデータを元に3Dプリントやオーブン粘土で埴輪を作ったりなどいろいろと楽しませていただいています。それを見たフォロワーさんたちも公開されているデータを元に3Dプリントして遊んでくれていてその可愛さに感動していました。3Dモデル化し、3Dプリントすることによって触れる文化遺産としての形の面白さを感じてくれた事と、同じものが遠く離れた場所へすぐに届く3Dプリンターの魅力を再発見することになりました。
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今回の話題を提供してくれたちゃーはんさんは日々、3Dモデルや3Dプリンターを使った楽しいものづくりを展開中。「一緒に遊んでくれる方がいたら是非絡んでいただきたい」ということなので、ご興味ある方はぜひXなどSNSをチェックしていただきたい。
ちゃーはんさん関連情報
Xアカウント:https://x.com/oicchahan
Haniwa Waterfowl Figurine:https://www.printables.com/model/1246345-haniwa-waterfowl-figurine
公開3Dモデル一覧:https://www.printables.com/@chahan_714262