「生まれてくる子どもは親を選べない」を意味するネットスラングの“親ガチャ”。今やメディアで話題にのぼることも多いこのテーマの作品で、新人漫画家の登竜門とも言われる、ちばてつや賞ヤング部門で佳作を受賞した『親ガチャができる世界の話』(受賞時のタイトルは『親ガチャ』)。
作者は、ちばてつや賞をはじめ、ヤンマガ月間賞佳作などを受賞した漫画家のざじーさん(@X1G9xd)。商業誌とは別軸で、Twitterでの作品発表を行い、佳作受賞作である『親ガチャ〜』を投稿したところ、1万以上のリツイートや7万を超えるいいね!を獲得する大反響に。コメントでは、『読むのがしんど過ぎる』や『辛い……辛い……』という声が続出した。今回は、ざじーさんにこの作品が生まれた背景について話を伺った。
「親が別の人なら……」という思いが誕生のきっかけ
目を背けたくなるようなリアルな描写や、グロテスクな場面も登場する本作。絵空事ではない現実感のある作品は、ざじーさん自身の経験が反映されているのか。ざじーさんは言う。「経験というほどのものではないですが……。当初は、姨捨山をテーマに描いているなかで、こうした作品になりました。ぼく自身が親ガチャ? 親が別の人ならいいと願ったこともありますが、そうすると今の自分は無くなってしまうという結論に行き着いたので、こうした作品になりました」
また、ざじーさんのSNSにはシリアルキラーに関心を寄せているtweetが見受けられる。その理由について、「単なる趣味ですね。残酷な描写などが好きなので、他の作品の方がより反映はされていると思います」と話してくれた。
もともと、友人と軽い気持ちではじめたTwitterで大きな反響を得たことに、「いまだ現実感がない」と話す、ざじーさん。今後の目標についても、ほどよくマイペースに「これといって決まってはいませんが、とりあえず前作よりもいいものを描ければと思っています」と語った。次回はどのようなテーマで“目を背けたくなるけれど、読みたい”と思える作品を描いてくれるのか。期待し続けたい。
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