イースター島のモアイに「正座」や「女性」もあった!なべやかん現地で実感「宇宙人関係説」否定

なべやかん なべやかん
イースター島で正座するモアイ。現在、完全な形で確認できるものはこの1体しかないという(撮影・なべやかん)
イースター島で正座するモアイ。現在、完全な形で確認できるものはこの1体しかないという(撮影・なべやかん)

 イースター島(チリ領の火山島)の「モアイ」は人面の石造彫刻の遺跡で、果たして誰が作ったのか?宇宙人が残したものか?など、人類史の謎として有名だ。お笑い芸人、プロレスラー、特撮キャラクターの収集家などマルチに活動するコラムニストのなべやかんは現地で本物を目撃しており、「正座したモアイ」や「女性のモアイ」などあまり知られていないタイプについてリポートした。

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 皆さんが知っているモアイと全く違うモアイがイースター島にあるのをご存じだろうか?

 8年前、新婚旅行でイースター島に行った。羽田からイギリスに行きスペインへ。そしてスペインからチリに行き、イースター島入り。エコノミークラスの狭い空間で寝起きをし、空港でのトランジットを繰り返す。チリから小型機でマタベリ国際空港に着くと、乗客全員が拍手と歓声を上げる。このフライトだけは愉快だった。

 この空港はかつてスペースシャトルの緊急着陸場で、空港から歩いてすぐの所に島の中心地であるハンガロアの街がある。現地ではイースター島在住日本人ガイドの川口さんが案内してくれた。川口さんの案内と説明を聞きながら、2日間、島中を見て回ったのだが、今まで自分が持っていたモアイ像の知識がいかに駄目だったかがわかった。まずモアイとはラパヌイ語で「像」という意味があるので、モアイ像という言い方は違う。チゲ鍋とかもチゲが「鍋」という意味だし、フラダンスもフラが「踊り」という意味のように重複して言っているのだ。

 子供の頃、モアイはピラミッドくらい古い建造物で、建造には宇宙人が携わっていたと信じていた。ところが川口さんの話を聞くと、全く違った。ポリネシア人がイースター島に渡って来たのは5世紀くらいで、モアイが作られたのが10世紀くらいだそうだ。皆が頭に思い浮かべるモアイは直立だが、初期に正座モアイがあった!現在、完全な形で確認できるものは一体しかないがパーツはいくつか見つかっている。そして、女性のモアイも2体存在している。しかも1体は頭が2つのモアイ!残念ながら頭は紛失していて胴体しか残っていない。頭が2つあると奇形と考えてしまうが、イースター島の人達は頭が2つあるという事は2つの脳で考えられるから偉大だと考えていたようだ。

 モアイはアフと呼ばれる祭壇に祀(まつ)られ、目を入れられる。祭壇に祀られていないので目をはめる溝がない。モアイの目は現在イースター島の博物館に実物が1個残っているだけ。1838年、フランス人が1体のモアイがアフに立っていたのを確認しているが、その後、村同士の争い、白人が入って来てキリスト教を広め、土着の宗教全てを放棄させたのでモアイは倒され、パワーが宿ると言われる目が破壊された。

 コロナ禍でイースター島には観光客がいない。観光できるようになったら、川口さんにガイドしてもらうと、モアイの正しい知識が身に付く。そして宇宙人と関係ない事もわかるよ。

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