事件解決の“カギ”はGoogleストリートビューだった。スペインの警察はこのほど、昨年11月に行方不明になった男性とみられる遺体の一部が墓地に埋められていたのを発見し、男性の誘拐に関与したとして男女を逮捕した。
大きく動くきっかけとなったのは、Googleストリートビューに容疑者の車が写りこんでいることに捜査員が気付いたこと。その車の開かれたトランクの中には、遺体が詰められたとみられる白い袋がばっちりと捉えられていた。
男性が行方不明になったと友人が通報したことが発端だった。被害者男性の携帯電話からは「ある女性に会い」「地元を離れることになった」「携帯電話は捨てる」といった趣旨の不審なメッセージが送られてきた。
交際相手とその元パートナーが事情を知っているとみて、警察は2人の車や自宅から得られた手がかりをもとに捜査を進めていた。警察が車の動きを調べていたところ、その地域を写したGoogleストリートビューに、問題の車両が写りこんでいたことが判明。画像を見ると、赤い車と男がトランクを開けて身をかがめている様子が捉えられていた。そのトランクに大きな白い袋のようなものが写っていた。さらに別の写真にはこの男が袋を持って歩いていく様子も捉えられていた。
警察は11月に誘拐容疑でこの男女を逮捕。今月11日に地元の墓地から、行方不明男性のものとみられる人間の胴体を発見した。現在も捜査は続いている。
Googleストリートビューから犯人逮捕につながるケースは増えており、2022年には、2002年にローマの刑務所を脱獄して約20年間逃亡していたイタリアのマフィアの重要指名手配犯の逮捕につながった事例がある。