独特の番組編成でコアな人気を誇るテレビ東京。とりわけ、深夜に「アニメ枠」を設けるなど、アニメ放送への熱の入れ方には定評がある。アニメに対する接し方について、同局の大庭竹修編成部長に話を聞いた。
大庭竹部長は「今も昔も、テレビ東京はアニメをサブカルチャーだと思っていない。普通に文化、普通のカルチャーなんじゃないか」と方針を説明した。アニメへの取り組みは全社的なもので、同局では2009年にアニメ番組の専門部局として「アニメ局」を設立。「ビジネスの面でも文化の面でもエンターテインメントの面でも、わりとど真ん中にあるコンテンツなのではないかと思っています」という。
深夜にアニメ放送をを行うことには、「アニメは昔は子どもが見るものという扱いだったのが、大人になってもコアな方々、ものすごく好きな方、熱のある方がたくさんいらっしゃる、そういう方が見やすい時間帯にもやろうと」という“視聴者ニーズ”への対応だった。アニメブームの引き金となった「新世紀エヴァンゲリオン」も同局での放送だったが、放送時間は水曜午後6時30分からだったため「本当にそこの枠で良かったのか、反省はある」と明かした。
大庭竹部長はさらに「アニメビジネスは日本の中で大きいマーケティングになっていますし、日本のアニメってクオリティが高いんですよね。制作費も実はそんなに安くなくて、バラエティーを作るよりもしかしたらかかってくるものもある」と現状を分析。「うちの『YOUは何しに日本へ?』という番組があるんですが、海外から来られた方に聞くと『アニメを見に来た』『聖地を訪ねに来た』という方がすごく多いんですよね。今の時代で全世界的に、一番スピード感をもって発信できるのはアニメなのかなと」と語った。
アニメ以外の番組からもフィードバックを受け、よりブラッシュアップしていくテレビ東京の“アニメ道”。一見、独自路線のように見えて、実は王道まっしぐらな番組編成だった。