年賀状ってこんなに高かったっけ?続出する「年賀状終い」 料金が値上がりの“歴史”を振り返る

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部

メールやメッセンジャーが広く利用されるようになったからか、すっかり年賀状を書く機会が減った。筆者も数年前から年賀状を書かなくなっており、届く枚数も減る一方だ。それにしても今年届いた年賀状は昨年よりも大きく減っていて、半分以下になっていた。

日本郵政グループの発表によると、実際2025年の元旦に配達された年賀状は4億9100万通で、昨年比約34%減という結果だった。これだけ枚数が減ったのは、昨年のはがき料金の変更も影響しているのではないだろうか。そこで、これまでのはがき料金の推移を振り返ってみる。

はがき料金は時代とともに変化してきており、50円時代が記憶に残っている人も少なくないだろう。実は50円から値上がりしたのは、比較的最近のことである。日本郵政が発行している郵便料金についての資料によると、以下のような推移だった。

まず、1994年1月24日から2014年3月末までのはがき料金は50円だった。そこから2014年4月1日に52円へ値上げされる。その3年後である2017年6月1日には62円に、2019年10月1日には1円値上げした63円となる。そして2024年10月1日には85円へと値上げされた。

この推移を見ると、1994年から2014年までの20年間、はがき料金は50円で据え置かれていたことがわかる。しかし2014年以降、値上げのペースが加速しているのだ。特に2024年10月の改定では、63円から85円へと約35%もの大幅な値上げが実施されている。はがきを利用する機会の減っている人からすれば、急な値上げに驚いた人もいるだろう。

はがき料金の値上げの背景には、郵便事業の赤字がある。電子メールやSNSの普及による郵便物の減少や、物価上昇と人件費のといったコストの増加もあって、2022年から2年連続で営業損益がマイナスなのだ。この営業損益のマイナスをカバーするためにも、はがき料金の値上げが進んでいる。

またSNSなどでは「年賀状終い」を表明している人を多く見かけるようになった。代替手段の普及や環境への配慮、時間の節約を理由に年賀状を辞める人が増えていたが、今回の料金値上げはその傾向をより強める形になったといえよう。

とはいえ、年賀状が完全に消滅する可能性は低いだろう。むしろ希少性が高まり、より価値のあるコミュニケーション手段として再評価される可能性すらある。

年賀状は日本の伝統的な文化の一つであり、人と人とのつながりを確認する大切な機会である。書く機会は減少しているものの、久しぶりに届いた手書きの年賀状に心が温まった経験は誰にでもあるはずだ。毎年送る必要はないかもしれないが、数年に一度、大切な人に向けて年賀状を書いてみるのも良いだろう。

よろず〜の求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース