古本に挟まれていた歴史的文書がSNS上で大きな注目を集めている。
「買った古本から出てきた」
と古めかしいフォントで書かれた郵便局からの注意書きを紹介したのは漢詩vtuverの沖春城さん(@oki_shunjou)。
短冊型の薄紙に赤字で「先月お宅の電話料は納期限(二十日)を過ぎてから納付せられましたが本月からはお忘れない様ご注意下さい 濱松郵便局」と印字された注意書き。戦後に電気通信省などが設けられるまで、日本の多くの地域では郵便局が電話業務を扱っていたそうだが、それを物語る文書がまさか古本に挟まれていようとは。
今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは
「持ち主がそれを栞にしているのにじわる」
「文言も時代背景感じる!!!」
「電話料の納付先が郵便局の時代があったのかー」
「机の上でよく目立ったんだろうね笑
お香典の試し書きに使ったり、筆先整えるのに使ったり、最後は栞にまで😂
サイズもちょうど良いし、書いてある内容は特に気にせず何気なく使ってたんだろうなあ〜
こういうの想像が膨らんで楽しい!」
など数々の驚きの声が寄せられている。
沖さんにお話を聞いた。
ーーこの注意書きを発見された経緯をお聞かせください。
沖:静岡県内のとある古書店を訪れ、漢詩関連の本を探していた時に見つけました。
ーー注意書きへのご感想を。
沖:「変わったものが出てきたな」と思いました。購入した古本からメモや名刺などが出てきたことは今までもありましたが、今回の注意書のような物は初めてです。
ーーその後、この注意書きについてわかったことはあるでしょうか?
沖:電話料の請求が郵便局から来ていることから1885年から1949年の逓信省時代に発行されたこと、手書きで「御霊前」と書かれていること以外は自分の勉強不足もありましてよく分かりません。
ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。
沖:予想以上の反応がありとても驚きました。注意書について歴史的背景や敬語の言葉遣い、漢字や仮名の字体など様々な視点からの考察が寄せられたのでたいへん勉強になりました。
また背景の本についても興味をお持ちになる方が多くて非常に嬉しかったです。この本は昭和に出版された漢詩集で『観海詩鈔』といいます。このポストをきっかけに近代日本の漢詩文に関心を持つ方が増えてくれたならこれ以上に喜ばしいことはありません。
◇ ◇
古本は以前の所有者の痕跡を探すのも一つの楽しみ。読者のみなさんもこういった大発見があればぜひSNS等で発信いただきたい。
今回の話題を提供してくれた沖さんはSNSやYouTube上でさまざまな漢詩情報を発信している。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
沖春城さん関連情報
Xアカウント:https://twitter.com/oki_shunjou
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@vtuber4338