「ドラマはプロデューサーが主導」シナリオ協会動画削除で伴一彦氏が改めて説明「田中さん」問題で対立危惧

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
シナリオ(画像はイメージ=megaflopp/stock.adobe.com)
シナリオ(画像はイメージ=megaflopp/stock.adobe.com)

 脚本家、小説家の伴一彦氏が3日、自信のXを更新し、「日本シナリオ作家協会」のYouTubeチャンネルで公開された後に削除された動画「【密談.特別編】緊急対談:原作者と脚本家はどう共存できるのか編」についてコメントし、出演の経緯などを明かした。

 伴氏は番組が毎週月曜の午後10時から配信されていることを伝えた上で「私に出演依頼があったのは前日の日曜日」と直前の依頼だったと説明した。日本テレビ系ドラマ「セクシー田中さん」の原作者・芦原妃名子さんが、脚本が「改変」されたと公表したのが1月26日(金)、伴氏が出演依頼を受けたのは同28日(日)とみられる。番組が配信される29日(月)に芦原さんの訃報が報じられた。

 伴氏は「田中さん」問題で脚本家への批判が高まっているタイミングだったため出演をOK。まさかの訃報当日の配信となったが「当該脚本家へのバッシングが更に激しくなることも予想されたので賛同しました。」とあえてストップをかけなかったと説明した。

 番組では寺沢大介氏のコミックをドラマ化した日本テレビ系「喰いタン」(2006年)や東野圭吾氏の小説が原作のフジテレビ系「放課後」(1986年)を例に脚本家の立場などを説明していた。ただ、協会は2月2日までに動画を削除。かえって協会や脚本家らが炎上していた。

 一部で、伴氏が東野氏に「あんなやつと会ったことはないし、何か言われたこともない」と発言したとする要約が拡散されこともあり、2日には伴氏がXで「この動画、削除されています。対応として最悪です。」と協会に不満を示していた。「私が東野圭吾さんを“あんなやつ”呼ばわりしたという嘘まで拡散されてます。断じてそんな発言はしてません。」と説明したものの、3日午後9時の時点でも動画は削除されたままとなっている。

 伴氏は3日のXの最後に「一番伝えたかったことは、ドラマは脚本家一人で好き勝手にできるものではない、プロデューサーが主導するものということ。なので、原作者と脚本家の対立構造にしないで欲しいということ。」とコメントしている。ドラマでは作品の内容やキャラクターが事前に分かっている「原作あり」の方が、スポンサーに説明しやすく企画が通りやすい。出演者への依頼もスムーズだ。知名度の高い原作なら、宣伝効果も大きい。出版社側から見ても作品の大きなPRとなり、売上アップにつながる可能性は高い。一部の超有名脚本家を除く多くの脚本家は原作と向き合わざるを得ない状況となっているのが現実だ。

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