らぁめんたろうやもっこす、ずんどう屋といったチェーンからぶたのほしなどの新進気鋭、大貫、竹家ラーメン(昨年閉店)などの歴史的名店まで色とりどりの兵庫県ラーメン事情。
今、SNS上ではそんな数ある兵庫県のラーメン店の中でも、加古川のある老舗が大きな注目を集めている。
「ずっと閉業してる店かと思いきや実は開業してると最近知り、ひっそりしたラーメン屋に行ってみた
Googleの口コミは☆2.3とめちゃ低いので、怖いものみたさで醤油ラーメンを注文してみる。値段は450円恐らく開業時から値段は変わってないと思われる。」
と件のラーメン店を紹介したのは漫画家の隼のぶをさん(@HYBSNBW)。
西国街道と別府川の交わる北西。駅や繁華街からは離れた、いかにも郊外といった街並みの中に元祖加古川ラーメンはある。
古い建物で、元々あったはずの庇(ひさし)のカバーがはがれていることから閉店していると勘違いする人も多いようだが、実際は営業中。地元でも訪れた人は稀なようで、SNSユーザー達からは
「通学路で毎日通った道だ…
同じ方向の友達がいなかったから1回も入らなかったけど…」
「子供の頃からあるのは知っていましたが、入ろうとは思ったことはなく、スルーしてました(笑 一回食べに行ってきます。」
「表の庇がないのと壁の塗料の経年具合からどう見ても閉店してるように見えるのはもう何年も昔からそうなんですよね…」
「2年前ぐらいに行ったことあって、同じ感想w」
「こういう店の『悪くない』は、だいたいにおいて『良い』んですよね。
おっさんが暇そうな時に行ってチャッチャと食ってサッサと帰る、っていう『じっくり味わいをかみしめなくても美味いメシ』は大好きです。」
「ここの店長さん昔々から知ってます!
若い頃は食堂兼お寿司屋さんで修行されてて、お父さんお母さんとこのラーメン屋さん開きました。
昔から変わり者❓でしたがいい人でした!
腕も良かったと💪
長らくお伺いしてないですがお元気そうでよかったです。投稿ありがとうございます😊」
など数々の驚きの声や情報提供が寄せられている。
隼さんにお話を聞いた。
ーーお店を訪れた経緯をお聞かせください。
隼:加古川は地元なので、お店自体は物心つく頃には既にあったのは知ってました。数年ほど前からのれんがかかってなかったので「とうとう閉業されたのかな」と思っていましたが、最近Googleのレビューを見てみるとまだ営業中。「加古川ラーメン」と名乗っているものの、「加古川ラーメン」って何だ?と長年思っていたので、その疑問を晴らすべく訪れることにしました。Googleの口コミがかなり悪いので、話のネタ程度に怖いものみたさであまり期待せず店に入りました。
ーー居心地やラーメンの味はいかがでしたか?
隼:口コミ通り店主のおっさんはクセが強い人で、テレビを見ながら一人でずっとテレビの感想を言っていました。「ラーメン作りよるんかいな?」と思ってたら意外とすぐにラーメンが席に運ばれてきて、おそるおそるラーメンを口にしてみたところ、驚いたことに旨いんです。良い意味で裏切られました。
ーーGoogleでの評価が悪い理由はなぜでしょうか?
隼:やはり、店主の方がかなりクセがあることだと思います。テレビを見ながら独り言を言っているのは、やはり初めてのお客さんにはビックリされることだと思います。あと無愛想な店主さんで、店員に愛想を求められるお客さんにとっては評価するのは難しい店だと思います。
ーー反響へのご感想をお聞かせください。
隼:夜勤明けにラーメンを食べに行っただけの投稿がここまで反響を呼ぶとは思っていませんでした。意外にもこのお店を知っていた方々が多いのと共に、口コミが悪いにも関わらずラーメンはかなりおいしくて、「口コミの評価など、実際に食べてみない限りはアテにならないな」と感じました。
◇ ◇
元祖加古川ラーメンは外観の印象とは異なり店内はいたって清潔。懐かしい中太麺の醤油ラーメンで、値段はこのご時世なのになんと450円。ご興味ある方はテレビと店主の独り言も楽しみながらぜひ一杯やっていただきたい。
隼のぶをさん関連情報
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