朝晩冷え込むようになり、おでんを食べたくなる時期が近づいてきた。そんなおでんの具材として関東を中心に支持を集めているのが「ちくわぶ」だが、株式会社ゼンリンが発表した調査によると、西日本では「見たことがない」「ちくわの方言かと思った」などの意見が上がっているといい、X(旧ツイッター)で注目を集めている。ちくわ、ちくわぶを製造・販売している食品メーカー・紀文食品に話を聞いた。
そもそも「ちくわ」と「ちくわぶ」の違いは何なのか。紀文担当者によると「形が似ているだけで全くの別物です」とのこと。ちくわは魚肉のすり身が主原料だが、ちくわぶは小麦粉が主原料。「要するにちくわぶは、ちくわの形をした麩なのです」と説明した。紀文公式サイトの「おでん教室」を見ると、ちくわぶは、ちくわに星形のギザギザが付いているような形となっている。
紀文が19日に公式Xで「おでんにちくわぶって全国共通じゃないの???こんなに美味しいのに???」と投稿したことから、ゼンリンが「おでんに『ちくわぶ』を入れる地域」について、調査を実施。有効回答1365件が集まり、東京、埼玉、神奈川、千葉の南関東では80%以上がおでんにちくわぶを入れる結果となった。関東で圧倒的な支持を得た一方、西日本ではすべての地域で20%未満となり、あまり知られていないことがわかった。
地域別で結果が偏った理由について、紀文担当者は「『ちくぶわ』が関東発祥のご当地グルメだからだと思います」と推測。「弊社でも、おでんによく入れる具材の調査をしていますが、ランキングで見るとちくわぶは全国の結果では20位なのに対し、関東(1都6県)では9位という結果でした」と補足した。おでんシーズンの売り上げは、全国的に食べられる「ちくわ」の方が多いという。
Xでは、在住地域による違いに驚きや納得の声が寄せられている。「だから旦那、ちくわぶ知らなかったんだ(九州出身)」「ちくわぶが母が好きでほぼ一人で食べてた(北関東出身)」「北関東出身だが、ちくわぶの存在を知ったのは上京してから。関西には全くないよね」「ちくわぶは東京のコンビニおでんで、初めて食べたなぁ(三重県出身)」「ちくわぶさん、地域限定度が高い...」。ちなみに記者は、小学校から高校にかけて西日本で暮らしていたため今調査で初めて、明確な違いについて知りました。