港湾都市として躍進の釜山も人口は大幅減少 韓国の事例から読み取る神戸市が衰退する要因とは

中将 タカノリ 中将 タカノリ

先日、神戸市の今年10月1日時点の推計人口が150万人を下回ったことが発表され話題になった。

今、SNS上では韓国・釜山の事例からその要因を考察する投稿が注目を集めている。

「神戸市の例の人口減少ニュースの絡みでアジアの港湾都市が神戸から釜山に移り、釜山の超高層ビル群の発展ぶりをポストしようと思ったら釜山は神戸市以上に人口が激減してた。『釜山 人口』と検索すると釜山の高齢化と都市衰退の記事がいくつも出てくる。韓国もソウル一極支配。問題はそう簡単じゃない」

と紹介したのは都市開発系YouTubeチャンネル「都市計画のお知らせ」のXアカウント(@OSAPCO1)。

神戸市の衰退にはさまざまな要因があるが、アジアの港湾都市としてのポジションを他に奪われつつあることもその一つ。しかし、神戸と対照的にコンテナ取扱量世界第5位の港湾都市へと躍進を遂げたはずの釜山も、人口面では1995年の約390万人をピークに低迷。近年では約340万人と急速な衰退ぶりを見せているのだ。

SNSユーザー達からは

「釜山は幼稚園や保育園、小学校の廃校ラッシュです。日本の比じゃないレベル。」
「これは衝撃
なんでかな?と思ったら韓国は日本以上の首都一極集中のせいで世界一の低出生率国家でしたね」
「神戸も横浜みたいに存在感を発揮できれば…
なにせ自治体に子育て支援等の国がやるべき厚生政策まで要求している状況なので…
どれだけ開発に回せるかだよな。」
「昔と違って、港湾は徹底的に自動化が進んでるし、港の横に重工業広がっていくような時代でもないですからね。
港湾の発展と都市の人口の関係は薄れているのかもしれませんね。」

など数々の驚きの声が寄せられている。

都市計画のお知らせの運営者にお話を聞いた。

ーー神戸市の人口減少のニュースに接したご感想をあらためてお聞かせください。

運営者:京都市もそうですが神戸市は郊外に広く市域が広がっているので、人口が増えている大阪市とは単純に比較ができないです。西区や北区、垂水区や須磨区など、昭和後期から平成初期にかけて造成された大きな住宅街があり、どの区でどれくらい人口が減っているのか見てみないとなんとも言えないです。本当はこのあたりをちゃんと調べて発信したかったのですが。

仮に北区や西区の人口が減っているとすると、大阪都心へのアクセスの悪さが神戸都心の商業ビジネス環境に魅力が無いことに繋がり、それが結果的に三宮周辺の再開発の遅れに繋がっているのだと思います。ただやっとここ数年で再開発は動き始めました。

ーー釜山の現況を調べ印象的だったこと、神戸との共通性を感じたことなどあればお聞かせください。

運営者:釜山は神戸から港湾都市の座を奪い、さぞ発展してるのかと思いきや高齢化とソウルへの人口流出が酷いことがわかりました。港湾都市と言っても機械化によりコンテナの中継基地で労働力もそれほど必要なく、経済波及効果はそこまで無いのかなと。韓国はソウルへの一極集中、日本では東京一極集中、関西では大阪一極集中化で周辺都市が吸い取られているという共通性を感じました。

ーー反響へのご感想をお聞かせください。

運営者:反響というほどではないですが、都市好き界隈では神戸市の長年の停滞は常に話題に上がっていました。僕の勝手な憶測ですが、釜山が意外にも悲惨な状況になっているのを見て少し胸をなでおろした方も多いのではないでしょうか。ただ神戸と釜山以外にも東アジアに他にはたくさんの大都市があり、神戸と釜山の二都市だけを比較して論じるのは適切ではないですね。

◇ ◇

 急激な少子高齢化もあり、今後人口を維持できる都市はごく一部だとされる。このまま衰退を続けるのか、それともどこかで踏ん張ることができるのか。今後の神戸市に関する行政の取り組みを注視したい。

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