国民民主党の玉木雄一郎代表(54)が12日、国会内で行われた定例会見に出席。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について「与野党を超えた取り組みが必要。汚染水といったような言い方は、国内から出ないようにぜひ心がけていただきたい」と話し、汚染水と呼ぶ一部の政党、政治家にクギを刺した。
玉木氏は「国内の一部政党や政治家が引き続き、中国と同じように魚が汚染されているなどの風評被害に加担するようことをしている。国益に反するので、慎むことを求めたい」と批判。続けて「同じ党内でもそういったことを放置されているようなことがあれば、党としての方針が違うということであれば、しっかりガバナンスを利かせて、少なくとも内外の風評被害に加担することのないように、他国の情報戦に乗らないように、しっかりと党内議員や必要な関係者への説明を、努力をしてもらいたい」と注文をつけた。
広島6区から共産党公認で立候補予定だった元広島県福山市議の村井明美氏(75)がX(旧ツイッター)で、海洋放出された海域で獲れた魚を「汚染魚」と表現。共産党は公認を取り下げた。一方で、党としては汚染水という表現を変えないとしたことに「汚染魚がだめなら汚染水もだめなんじゃないですか?何で汚染水がOKで汚染魚がだめなのかよくわかりませんし、それであれば汚染水と言う人は、全員公認を外すべきじゃないですか」と首をかしげた。
玉木氏は「やはり科学的な根拠に基づいてやっていることに対して、風評が勝つようなことを助長する政治はだめですよ。さまざまな人の意見に謙虚に耳を傾けますけど、科学が風評に負けるようなことがあってはならない」と強調した。
海洋放出をめぐる中国の対応について「外国から情報戦を仕掛けられた認知戦というか戦いなので、国内からそういったことに加担することのないようにしてほしい」とした玉木氏。「いま、一生懸命頑張って取り組んでいる漁業者や、そういった方々の努力を無にするようなことのないよう、ぜひ心がけていただきたい」と繰り返した。