廃校になった小学校跡地にオープンした「みなとやま水族館」(兵庫・神戸市)が7月1日に開館1周年を迎えた。現場スタッフが担当しているSNS発信では、コツメカワウソの兄弟・秀太朗と文太朗をはじめ、生きものたちの日常を投稿しているTwitter(@minatoyama_jp)が人気。しかし、6月18日には“注意喚起”の投稿で多くの反響が寄せられた。
本日はたくさんのお客様にご来館いただきましたが、悲しいこともたくさんありました。
水槽のガラスを激しく叩き、魚をびっくりさせる、館内で追いかけっこをする、生きものがいる水槽に石を入れる、植栽帯の植物を引っこ抜き、FISH PONDに投げ入れるなど、他のお客様へのご迷惑、生きものに対して、心ない行為をされる方が多く見受けられました。
当館は、じっくりと生きものを観察し、生きものたちについて学ぶ場所です。みなとやまの生きものたちは、イジメのためや、遊びのオモチャになるためにいるのでありません。私たちが彼らの素晴らしさに気付き、学びを得るために、ここにいてくれているのです。ぜひ、生きものたちに優しく寄り添っていただきたいのです。
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同水族館は、2015年に廃校となった湊山小学校跡地をリノベーションしたコミュニティー型複合施設「NATURE STUDIO」内にオープン。校舎のワンフロアに、約250種の生きものが暮らしている。
学校の備品を再利用し、懐かしさを感じながら、生きものの世界にどっぷり浸れる。椅子に腰かけて、大型の水族館では体験できない距離感・目線でじっくりと生きものを観察できるのが最大の特徴。しかし、その近さゆえに問題行為が見られることもある。
同投稿を発信した担当者によれば、現場スタッフは作業の合間に館内を巡回。問題行為を発見した際には「しっかりと注意をさせていただく」と対応を説明した。すぐさま謝罪する親子連れもいれば、なかには「注意が厳しすぎる」と言われることもあるという。
しかし、「ある種、生きものたちも(水族館に来てもらっている)お客さんなので、彼らにもストレスをかけたくない」とし、「(しっかりとした注意は)お客さまの安全を守る意味もありますし、ゆっくりご覧になられているお客さまの観察している時間を守る意味もある」と話した。