誰もが手持ちの端末から、インターネットで様々な情報を簡単に収集できる現代。
しかし、広大なネット情報の中には、見たくないのに目に入ってしまう嫌な情報や言葉が溢れかえっている。それがストレスになり、ネット疲れや調べ物の気力を奪ってしまう事も。
今、そんな状況を解決できるかも知れない面白拡張機能が注目を浴びている。数々のユニーク発明を世に送り出している発明家のもにゃゐずみさん(@Monyaizumi)が開発した「People翻訳」がそれだ。
People翻訳はGoogle chromeで配信されており、導入すると、ネットの文字が全て「限界オタク構文」や「おじさん構文」、「ネコ言葉」になったりして、読む気力を一気に奪ってしまう。
昨今溢れる暗いニュースや怒りを覚えるニュースも、おじさん構文やオタク構文にしてスルーするしてしまえるこの個性的で有意義なツール。いったいどの様な経緯で開発に踏み切ったのか。もにゃゐずみさんにお話を聞いた。
橋本:また面白い発明ですね(笑)。「People翻訳」の製作に至ったキッカケがあればお教えください。
もにゃゐずみ:現在並行して開発中の、「ネッコサーフィン」がきっかけです。
このツールは、「マウスを動かすほどブラウザ画面下にネコがあつまってきて、そのネコたちが事あるごとにカーソルに飛びかかってくる」というめちゃくちゃ邪魔な拡張ツールです。
この開発に取り組む中で、「意図しない過剰な情報負荷によるストレスには、逆に『邪魔される』ことでデトックス効果がある」と考えました。
People翻訳は、その発想をもとに生まれた、ネッコサーフィンの兄弟的立ち位置のツールです。 一番最初に翻訳を動かしたときの衝撃は忘れられません。見慣れた数多のサイトたちが別の人格を持ち始める様にお腹を抱えて笑ってしまいました。
橋本:試しに使ってみたら、大変な事になりましたよ…(笑)。「People翻訳」をDL、導入した方々の反応はいかがですか?
もにゃゐずみ:リリースからは、約24時間で既に1万人以上の方に導入いただいております。沢山のご感想、喜びながら拝見していていますが、「導入してから文体ひとつで知らず知らずにうちにストレスを溜めて込んでいたことに気づいた」という感想は、今回のコンセプトをみなさんにも体験として共有できたと実感できて、嬉しかったです。
橋本:情報社会の現代ならではのストレスですね…。噂によると、俳優の阿部寛のホームページだけは自我が残るとの事ですが…現在でも変換は不可なんでしょうか?
もにゃゐずみ:口コミにより判明して衝撃的でした。 個人サイト、ニュース記事、Twitter、さらにはYoutube字幕などの動的な部分まで、よほど特殊な場合を除いてほぼ全てのサイトで翻訳機能が効くように実装してきたつもりだったので、思わぬ抜け穴に大目玉を食らいました。あのサイトに関してだけはインターネット保護区と見なし、このまま対応しないことに決まりました。
橋本:何かとネタにされますね、あのサイトは(笑)。アップデートにて今後新たな人格は増えるのでしょうか?
もにゃゐずみ:現在大幅アップデートとして4種類の翻訳機能の追加に向け進んでおります。今月中公開できる予定です。
ひらがなとカタカナが消え去るのになぜかなんとなく読めてしまう「偽中国語翻訳」 や、みんながみんなを煽り散らかす「奴翻訳」 (奴bot @de_detaawwwww 監修) 、勝手にすべてを採点し出す「奇術師翻訳」と世界中が混沌と化す「世紀末翻訳」 の4種類をリリース予定です。pro版だけでなく、free版にも一部機能を追加できる予定です。
橋本:どれも気になる翻訳ですね(笑)。今後の展望や次の構想等があればお教えいただけますか?
もにゃゐずみ:先程の「ネッコサーフィン」もリリースに向けて鋭意製作中です。日々着々と完成に近づいておりますので、ぜひこちらも見ていただけると幸いです。 リリースの際にはTwitterにて告知を行いますので、ぜひフォローしてお待ちいただけると嬉しいです!
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今回のPeople翻訳がストレス社会となっている現代のインターネット世界の一服の清涼剤となる事を願うと共に、独自の着眼点から生まれる氏の今後の発明にも大いに期待したいところだ。
読者のみなさんには是非、この記事もPeople翻訳を通して読んでみてもらいたい。その時、筆者は猫だったりおじさんだったり、様々な変化をしている事だろう。