ドイツ新興企業「イザール・エアロスペース」の試験ロケットが現地3月30日、ノルウェーアンドーヤ宇宙基地で打ち上げられたが、数十秒後に水中に落下し、爆発してしまった。
この無人ロケット「スペクトラム」は、欧州初(ロシア除く)の軌道ロケット打ち上げを目指して設計されていたが、第1回のミッションは失敗に終わった。
現時点で原因は発表されていないが、映像を見ると、打ち上げ直後から不安定な動きをしていたように見える。
衛星打ち上げ市場では現在、イーロン・マスク氏が率いるスペースXやエアバスとサフランが共同出資し、仏領ギアナで打ち上げを行うアリアングループが主力。スペースXは世界各地で衛星通信サービス「スターリンク」も提供している。この“宇宙戦争”では、米国が優位に立ち、中国が続いているという見方が強い。
ドイツ航空宇宙産業連盟のトップは、初試験は今後の進展につながるとし、「欧州は宇宙における主権を早急に確保する必要がある。マスク氏率いるスターリンクに代わる通信はあり、存在すべきだ」と述べた。